カテゴリ:お店あれこれ( 467 )

まどそら堂のみずいろ

 お店作り記ブログ編その1。

 お店を作るにあたって、工務店などの業者さんに頼まず外装は自分たち夫婦で行った。といっても、外観の構造には手を入れずそのままペンキを塗っただけだが、壁の下地に合う塗料を探したり、イメージ通りの色を調色するのに手間取ったりと、それなりに苦労したところもあった。

 まず店舗作りの前に、参考にすべく「恵文社」という本屋さんを見に京都に出かけた。「恵文社」さんは有名な本屋だから皆さんもご存知かもしれないが、京都の北白川、一乗寺という所にある本屋さん。新刊本の合間に古本があり、雑貨や日用品、ギャラリーまである、とても居心地のいい本屋さんだ。店舗の敷地面積も広く、内装もシンプルでおしゃれ。本のラインナップもいいし、こんなタイプの古本屋がやりたいと夫婦で唸った。比較してもどうしようもないが、うちのお店は超極セマだし、内装外装にそんなにお金をかけられないしで恵文社さんをイメージしてもどうにも近づけないけれども、将来でかくなったらこんなお店にしたいと。

 国分寺の南口、駅近の100坪くらいの平屋店舗で古本を中心に雑貨、アート作品、ギャラリー、カフェをごちゃ混ぜにしたお店をやりたい!と思ってはみたものの、まずは3坪からの出発なのだ。思いとのギャップを感じながらもいつかどうにかして・・・と思いながら壁のペンキの水色を練りこんでいた。イメージ通りに調色できたつもりだったが、実際塗ってみるとどうにもきらきらしていて落ち着かないので、サンドペーパーでひたすらやすり古色仕上げ風にしてみたらいい感じの水色になった。

 とりあえず外装はなんとかしたが、内装にまで力が及ばずあまり手を入れられなかったので来年はお店のなかの壁に手を入れて、いい感じにしたいと思っている。イメージだけは完璧に出来上がっているのでやるだけだが、いつできるやら・・・。

 今日の国分寺は晴れ。まだドア開きっぱなし!

 本日のBGMはキース・ジャレット。ピアノの音色がバス停まで流れています。
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by yoshizo1961 | 2013-12-14 18:47 | お店あれこれ | Comments(0)

美杉の「きなこ屋」

 以前、少しご紹介した「きなこ屋」さんの話を(10月20日ブログ「きなこ屋のエプロン」参照)。


 「きなこ屋」さんがあるのは三重県の津市にある美杉村というところ。まわりを山林に囲まれ、綺麗な川が流れるその場所は、テレビでよく目にする田舎の風景そのもの。裏の山に足を延ばせば自然の息吹に心も洗われる、そんなところ。

 その美杉村で、織りと縫いものの作品を作りながら暮らしているのが高田俊和さんと高田如恵さんご夫妻。いまお店で展示・販売しているクリスマスフェアにも出品していただいている。さて今日は、そんなご夫妻が暮らしておられる家の風景などを中心にご紹介したい。

 まずは玄関前のアプローチから。最初にお知らせすべきところは、元々の古民家にご主人が自ら手を加えて(または最初から手作りし)出来上がっていった家だというところ。これが、よくある趣味のDIYの範疇をはるかに飛び越えて、アウトサイダー的構築物ともいうべき高みにまで上りつめているのが凄い。
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 家の中でやはり目にとまるのは薪ストーブ。暖房はもちろん、毎日の煮炊きにも活躍する。そこで生活する者にとってはあたりまえのものであっても、普段、薪ストーブというものに接することもない者にとってはその存在だけで興奮してしまう。
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 薪ストーブ用以外にもお風呂をわかす薪も必要だ。毎日まいにち何本もの薪がいる。東京で薪ストーブを使いたくても住宅事情で無理が多いし、というより薪をどうするかで頭をかかえるだろう。ちなみにこちらのお風呂もご主人の手作りで、五右衛門風呂である。行けば必ず風呂焚きをさせてもらうが、薪をくべる作業はめちゃくちゃ癒される。
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いろいろな作物を栽培している庭側からみた家。毎回行くたびに増築というより増殖している。部屋の内装も独特だ。壁に雑誌の切り抜きを張り下地をつくり、その上に白いペンキで下地の雑誌が透けるように塗装している。ありていに言えば、やり放題すき放題の家で、楽しそうなのである。誰もが憧れる暮らしだがそれなりに不便もあるわけで、楽しいことばかりではないにしろそれでもやっぱりいいなあと思います。
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「きなこ屋」さんの作品はお店で買えますが、直接お問い合わせも出来ます。
  
 og3ob3mishin@za.ztv.ne.jp

作品はフェイスブックページでもご紹介しております。

www.facebook.com/madosorado
 
今日の国分寺は晴れ。風が強かったね。今日、友達が寄ってくれました。ありがとう!

 本日のBGMはブライアン・イーノ。静かです。
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by yoshizo1961 | 2013-12-13 17:17 | お店あれこれ | Comments(0)

クリスマスのために

 まどそら堂では今月、クリスマスにちなんでクリスマス雑貨の展示販売中。

 クリスマスフェア’13『私の上に降る雪は』と題して、手作り作家たちの作品を並べています。展示スペースは小さいけれど、作品はみんな「ほっこり系」でいい味を出しているものばかり。なにしろ手間のかかり具合が半端じゃないから、一生ものといっていいものまであるし。クリスマスのギフトにちょうどいいものばかりだよ(今日は宣伝大会だー)。

 では出品作家をご紹介。まずは、既製品のレトロおもしろ雑貨を寄せてくれた赤尾芳野さん。スタイリストを経て、編集プロダクションで辣腕をふるった後、独立。現在は編プロの一人社長として走り回っておられる方。今回は手作りものではなく、展示に彩りを添えるべく雑貨を並べてくれました。
 続いては手作リスト、天野由里子さん。現役バリバリの編集者でありながら、布ものの作品を作っておられる。読書家で、あらゆることに造詣が深い方。作品は会期後半からお目見えします。
 羊の毛を圧縮して、柔らかくて温かみのある風合いのフェルト作品を作っておられる小野禎子さん。アトリエ&ギャラリー楽布土(らふと)を主宰し、クラフト教室もされております。プレゼントにぴったりな作品です。
 以前お店のエプロンのはなしでもご紹介した「きなこ屋」さんは、高田俊和さんと高田如恵さんのご夫妻ユニット。手紡ぎウールや木綿の素材をほっこり作品につくりあげるプロ。お店で実際に触って味わって下さい。
 続いて人形アニメを作っておられる、猫好き・バイオリン好き・落語好きの小林節子さん。癒しのてのひらサイズの猫ちゃんがお待ちしております。
 最後はステンドグラス作家の鈴川香緒里さん。クリスマスならステンドグラスでしょと言いたくなるくらい雰囲気出てます。

 皆さん作家活動とともにいろいろなお仕事もされているので、個々の作品をご紹介する時に詳細をお伝えいたします。今回は簡単なご紹介まで。

 お店のドア近辺に素朴なイルミネーションを付けてみましたが、なかなか良い感じです。
今日の国分寺は晴れ。雨も降らず良かったです。寒くなってきたので皆さん風邪など引かぬよう。明日は定休日なのでお休みです。

 
 本日のBGMは押尾コータローです。こんな風にギター弾けたらいいね。 
 
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by yoshizo1961 | 2013-12-04 17:43 | お店あれこれ | Comments(0)

何をやってもダメな一日

 こんな日もあるという話を。

 荷物を抱えてお店にたどり着くと、なにかいつもと違う気がして辺りを見回す。するとお店の東側にあった50センチ四方くらいの看板が無い。うちのお店の看板ではないが、古ぼけたまま昔からついていたもの。思いっきり剥ぎ取られてフェンスがむき出しになっている。違和感はそれだけではなく、よく見るとお店の端にゲロが(食事中の方、すみません)。そして道路にはカラスのフン。

 これは只事ではないと、いきり立ってはみたがまずは掃除するしかなく、水をぶっかけて何とかきれいにしたが気分はガクっと下がってしまった。ほどなくして大家さんが現れて、多分酔っ払いの仕業であろうと。酔っ払いが勢い余って看板に激突し、そのままゲロを吐き逃走、その後カラスがゲロに誘われてやってきた・・・という推理だが、看板はどこを捜しても見つからないし、ゲロも人間のものとは思えないものだったし。実はこのゲロ(げろげろばかりですみません)、数ヶ月前にも同じものを見たことがある。バス停の標識にぶちまけてあったが、その時と全く同じものだった。ゲロじゃない?では何だ・・・と推理している場合ではなく、お店を開けなければならない。

 クリスマスの手作り雑貨を並べているが、どうも上手くディスプレイ出来ずにいるのでそれを何とかしなければと気は焦るし、肝心な本棚もどうも散漫になっているしで、ばたばたと落ち着かない。そうだブログも書かねばと取り掛かると、PCの調子が悪く何だかよくわからない状態だし、あー、今日は天中殺(久しぶりに使った)か?それにお客様も来ないなーと外に出てみると、準備中の看板のままだった・・・。

 数日前からプチぎっくり腰でたまに激痛が走るなか、右肩が痛み腕も上がらない状態でもなんとかしのいでいたが、気も萎えてきて閉店時間早々にさっさと帰り支度を始めた。外に出してある100円均一本の平棚台をしまう時、モルタルの割れ目に引っかかってちゃぶ台返しの如く道路に本をぶちまけてしまった。たまたま人も車も来ていなかったのでどうにかなったが、冷や汗ものだった。道路に散乱した本をお店の中に放り込むと、まともに片付けもせず
逃げるように帰宅した。指が痛いなーと思ったら血が出てるし。あー・・・。

 散々な一日だったと思いながらも、気をとり直して晩飯だーと妻を見ると、何にも用意してないよーと言いながらハハハと笑うのだった。二人で近くのラーメン屋でさくっと食べて家に戻り、ちょっと探すつもりで本をいじりはじめたら、どつぼにはまり、気がついたら収拾のつかない状態となっていた。探していた本も見つからず、おれは一体なにをしているのだろうと自問してみても、ほんと今日みたいな日は何をやってもダメであり、ただ寝るしかないのであった。

 そうはいっても、大家さんにお店の近所にあるラーメン屋さんのランチ券を貰ったし、破壊された看板の場所にうちの看板をつけてもいいということになったので、いいこともあったわけだ。なんでもかんでもポジティブ思考というのは好きじゃないけれど、今日みたいな日はそれでもいいかなと思う。また明日からがんばりましょう!

 今日の国分寺は晴れ。今日は家の近所の友達がチャリで遊びに来てくれた。ありがとうね。

 本日のBGMは70年代のロック集です。高校時代からの友達が編集してくれたものです。
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by yoshizo1961 | 2013-12-01 18:10 | お店あれこれ | Comments(2)

扉は開かれているか

 めっきり寒くなってきましたね。

 もうすぐ12月。うちのお店でもクリスマスの展示などして、だんだん年末ムードになって来た。師走ともなるとなにやらせわしい気がして、必要以上に忙し感を醸し出してしまうもの。とは言っても暇そうにしていると、何だか取り残された感を感じたりして、まあ12月はせわしない。

 学生さんなら、年明け少ししたら、進学とか就職とか世間に出たりしなければならない時期の少し手前で、ちょっと複雑な心境の12月。もう働いている大人の人も来年に向けていろんな計画や意気込みを感じている12月。みんなそれぞれ生きているが、そんな人々に対して皆に平等に、世界の扉は開かれている。

 だが、問題は世界の扉ではなくて、うちのお店の扉である。比喩ではなく、玄関についている扉。開店当初から扉は一日中開けっ放し。小さい店だから開けてないと閉塞感を感じるし、お客様も気軽に入って来られるようにと開けたままなのだが、ここにきて寒くなってきたので閉めようかなと。

 台風の時や凄い風の時など、扉を閉めて営業したことはあるけれども、ほんの数日だ。ほこりや車の排ガス対策で透明ビニールを吊るしているから完全オープンというわけでもないが、完全に扉を閉めるのに抵抗感を感じてしまう。けど、寒い。開けたままでエアコンの暖房をつけているので電気効率も悪い。今月の電気料金の明細を見て目玉が飛び出そうになったし。ずっと開けっ放しだから、たまたま扉を閉めていたら、お客様に「扉つけたんだー?」なんて言われるし。扉くらいついてますよ、ふつう。

 まあそんなわけでもっと寒くなったら扉は閉めて営業します。まどそら堂の扉が閉まっていても、世界の扉は開いていますから、みなさん、がんばって今年を乗り切りましょう。私もがんばります!

 今日の国分寺は晴れ。明日は雨?あしたは「虎の穴」(11月19日のブログ参照)がありますよー。よろしくー!

 本日のBGMはジョージ・針寸(面白いのでそのまま)。「オール寝具スマストパス」(こちらもそのまま)2枚交互にかけてます。
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by yoshizo1961 | 2013-11-24 15:55 | お店あれこれ | Comments(0)

伝説の人が・・・。

 先日少し触れたが、伝説の人がまどそら堂に来店された。

 といっても芸能人とかアーティストではなく、ごくごく普通のご婦人である。年配のご婦人ではあるが、たまたま寄っていただけた。もったいぶらずに言うとそれは、椎名誠の「さらば国分寺書店のオババ」に出てくるオババの店で働いていた方なのである!オババは既に他界されているが、こちらのご婦人はお元気なのである。

 懐かしげに棚を見やる姿に、なにやら只者ではないオーラが。それとなくお声をかけ、会話の中からそんな話しが出たのでびっくり。実は先日いらした男性の年配のお客様から、こちらのご婦人の話を聞いたばかりだったので、そのタイミングの妙にうなってしまった。オババも凄かったらしいが、こちらのご婦人もかなり凄かったらしい。相当面白いエピソードも聞いていたので、それとなくこの年配の男性の話を向けたら、しっかり記憶されていた。

 ご婦人の話によれば、オババは相当きびしかった方で、棚にチリでもあろうものならかなりきつく叱ったそうだし、お客が本の上に荷物など置こうものなら、凄い剣幕でどやしつけたらしい。本に対する愛情故のことだが、うちのお店の棚などみたら相当叱られそうな気がする。

 せっかくだからサインしてくれとせがんだら、一笑にふしてそれはしてくれなかったが、そんな話しはしてもいいとお許しを貰った。そしてひ孫さん?のために絵本を買っていただいた。お元気そうなのでまた来ていただけると嬉しいが、今年の夏に椎名誠特集をした時お見えになっていたら、もっと盛り上がっていたに違いない。

 伝説の古本屋「国分寺書店」のDNAを、うちのお店にもほんの少し落としてもらえたかも。ありがとうございます。

 今日の国分寺は晴れ。クリスマスフェアの飾りつけでてんてこ舞い。まだしっかり出来ていないのでちょっとゆるく始めています。まだ長いし。

 本日のBGMはクラフト・ワーク。「ショールーム・ダミー」が耳蛸です。
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by yoshizo1961 | 2013-11-23 18:27 | お店あれこれ | Comments(0)

「棚」

 棚の本はきれいに整理して並べるべきか、否か。

 ジャンル別、もしくは関連する書物で分類して棚を作っているが、著者の50音別で並んでいる棚に慣れているお客様には、こうした並べ方に戸惑う方もいらっしゃる。うちのお店の棚は少し特殊で、小さなボックス状になっているので連続して同じ系列の本を並べていくには無理があり、大雑把に文庫、単行本、雑誌などに分類してギューギューに詰め込んでいるという感じ。

 お店の入り口寄りは少し間口に余裕があるので、お客様は入り口あたりの棚を中心に見て行かれ、奥の棚には近づいて来ることが少ない。狭いところに、床に箱を置いて並べだしたので、お店の奥の棚には物理的に寄って来づらくなっている。

 当初から入り口手前寄りに文庫本をまとめて並べているが、最近もっと混ぜこぜにしたほうが面白いかもと思う様になった。というより、前述の理由から手前側の空間の方がより購買力が上がるので。

 けれども新しく入荷した本を入れたり、棚の整理を始めると、どうしても隣の棚に派生してそれが芋づる式に伝染し、結局手に負えない状況へと追いやられる。でもきれいに整理されているより、しっちゃかめっちゃかに積み上げている様なパターンがお好きなお客様も少なからずいらっしゃるので、多少救われる気もするが、うちのお店で床に積み上げるとほとんど立つ場所が無くなるので、それだけはしない様にしている。

 いつも新鮮な棚でありたいと思っているが、実際そうもいかないのが現実。けれどもまず第一に棚作りが大事なので気をつけなければと思っている。たまに目茶苦茶になっていて、なんでここにこんな本が、ということもありますが、わざとではなく店主の単なる力不足によるものです・・・。

 今日の国分寺は晴れ。意外に古物の講習会が長引いてお店を開けるのが遅くなりました。早い時間に来てくれたお客様がいましたら、申し訳ありませんでした。

 本日のBGMもイーノです。
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by yoshizo1961 | 2013-11-18 18:33 | お店あれこれ | Comments(0)

妄想まどそら通り

 昨日、夜更かし通りの話をしたがその延長戦。

 考えてみれば確かにシャッター通り感はあるけれども、通りを上ればパン屋のキィニョンさんや洋服のalvaさん、その向かいにはシロさんもあるし、お店の斜め向かいにはレストランのSAPOさんもある。みんな有名だったりセンスがよかったり、美味しかったりする。そして通りを下っていけば、今ゆったりできる感ベストワンのカフェ、ねじまき雲さんもある。だから、閉塞感を感じる程の事でもない。

 しかし・・・だ。お店の店頭で何かしていると、よく尋ねられるのが「お鷹の道」への道順だが、それ以外に多いのが、通りを下ったところにある超有名なカフェスローさんだったり、うちのお店の裏手、ハケの上にあるローズガーデンさん(こちらも超有名)だったりする。たまにはうちのお店も尋ねられたいものだ。あのー、まどそら堂って古本屋どこですか?えっ?まどそら堂?まどそら堂ならうちですが・・・。あぁ?あーここですか、アハハハ。いやぁ、ここです、アハハハー。なんて。

 お店の前のこの通りとこのお店をなんとかせねばと昨日書いたが、実際の、店主の頭の中はこんな具合。(⇒ここから妄想列車、出発進行です)70年代、栄華を極めた夜更かし通りもいまやその面影もなく、小平や府中に向かう車の通り道に過ぎなかった。駅寄りにある一本向こうの通りは、大勢の人々が行きかい、活況を呈していたが、何時からか回り道をすると体に良いという噂が広まり、駅の南口を出た人々は、途中の殿ヶ谷戸庭園の脇の道から回り道をして、古本屋の前の通りを歩くようになった。
 
 回り道をするようになった東経大の学生さん達の間では、学校の行き帰りに古本屋で、一冊本を買うと、恋人ができたり、就職が決まったりと、良い事が起こるというジンクスが生まれ、夕方には本を求める学生さんでごった返すありさまであった。突然賑やかになった通りを走る、府中行きの京王バス乗車の人々も、何やらつられて古本屋前で途中下車するようになり、何故か京王バスも「みなみちょうー」ではなく「まどそらどーまえー」と連呼するようになった。この村おこし的突発性活況に驚いた行政は、その功績を称えてこの通りの名称を「まどそら通り」とし、そのネームの入った標識を古本屋の前に建てたのであった・・・
 

 (まだまだ妄想列車暴走中)
 「あのー、すみません・・・、お会計・・・、あっ、あのー!」
 「・・・えっ?あ、あぁ、すみません、つい居眠りを・・・。申し訳ありません」
 「いえいえ、よく眠ってらしたから・・・でも、後ろが」
 「えっ?後ろ?」
 
 眠たい目をこすりながらそのお客様の後ろを見ると、本を抱え会計を待つお客様の列がお店の外まで続き、あわてて外に飛び出して最後尾を探しても、はるかに遠くて見えない。言葉も出ないまま、ゆっくり顔を上げると、そこには「まどそら通り」という標識が、昔からそこにあったかの様に、鎮座ましましていた。

 「おーいっ、起きろっての!」
 「えっ?あぁっ?また夢?また寝てた?」
 「ちょっとしっかりしなさいよー。お客様がいたら恥ずかしいでしょ!」
 「いやぁー、夢の中で夢みてたよー、でもこれも夢じゃないよね?」
 「つねってみる?」
 「つねって、つねって」
 「ギュゥー」
 「いてーーーーーーーーーーーー!もっとー!」
 「バコーン!」
 
 こうして夢は飛び散っていった。おわり
 
 今日の国分寺は晴れたり曇ったり。支離滅裂な日もあります。

 本日のBGMはまたまたブライアン・イーノ。抜けられません。

 
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by yoshizo1961 | 2013-11-03 17:36 | お店あれこれ | Comments(0)

70年代の「夜更かし通り」

 竹中直人の「少々おむづかりのご様子」という本を見つけた。

 映画の話がメインだが、学生時代の話や国分寺の話も少し載っている。竹中直人は学生時代に国分寺に住んでいた(70年代半ば)。東元町に住んでいたというから、南口は彼のテリトリーだったのだろう。特にうちのお店の周り界隈の描写が興味深い。当時から、うちのお店の建物はあったので、その当時存在していたこの場所のお店らしき話も出てくる。たぶん、古着屋だったんじゃないかと思う。もしくは雑貨屋か。

 お客様の中に、当時のこの場所にあったお店で、バイトをしていたという方がいらっしゃる。当時、竹中直人はデビュー直前の頃で、ものまね番組に出まくって、話題になっていた頃だ。彼は酔ってもいないのに酔った真似をしながらお店に入って来たりして、演技の練習をしていたそうだ。
 
 この辺りのお店の話も面白い。うちのお店のすぐそばの交差点の脇に、グルマンというカレー屋があり、金が無いとき、持っているお金分のカレーを食べさせて貰っていたそうだ。今はもうそのお店も無いが、私も何度かグルマンのカレーを食べたことがある。普通のカレーしか食べたことが無く、本格的なカレーは初めてだったので、カレーの中に入っていたハーブのローリエの葉っぱも硬いと思いながらも食べていた。

 当時のこの辺りには、グルマンの他に、寺珈屋とかピンクフラミンゴなど個性的な店が多かったわけで、今以上にサブカル感に溢れた所だったんだろう。うちのお店の前の通りは、「夜更かし通り」と呼ばれていたらしく、当時としては賑やかな通りだったのかも知れない。駅ビルやマルイができて、南口と北口がつながった頃から、人の流れも変わりこの辺りの通行量も減ったのではなかろうか。
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 いまや夜更かし通りならぬシャッター通りだが、当時のサブカルDNAはこのお店の地下深くに、埋まったままではあってもまだ存在している筈だ。このDNAを掘り起こし、当時の空気感を取り戻すべく、色々仕掛けていかねばと思っている。

 今日の国分寺はずっと曇り。スカッとしませんね。今日は学生時代からの友達が来てくれました。

 本日のBGMはキース・ジャレット。久しぶりです。
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by yoshizo1961 | 2013-11-02 18:53 | お店あれこれ | Comments(0)

古本婚活

 お休みの日などは、カップルで来店されるお客様も多い。ご夫妻、友達同士、恋人同士。そして多少ぎこちないカップル・・・たとえば友達以上恋人未満(懐かしい言い方)。あくまでも私見に過ぎないが、たいがいどちらかが古本に熱心でどちらかはそうでもないというパターンが見受けられる様に思う。 

 古本好きカップルであれば、古本屋巡りデートというものもアリなのだろう。が、どちらかがそうでもなかったら少し辛い気もする。婚活という言葉がちまたに溢れているが、婚活の手段としての「古本」というものについて考えてみても何も浮かばない。婚活の道具には不向きかもしれないが、先ほどの古本屋巡りデートならいい気もする。

 今日は神保町界隈へ。古本屋を巡る合い間にカレーなど食べて。来週は早稲田へでも行ってみるかい?なんて。行く先々の古本屋で薀蓄をうなっていたらきっとフラれるであろう。けれど一冊の本を、二人でいっしょに探して歩くなんていうのは、ロマンチック(これも古いか)かもしれない。

 「ないわね」
 「そうだね。今日はこの店で最後にしようよ。疲れたから」
 「あぁ?見て、これじゃない?あっ、あったわ!ついに見つけたわ!」
 「うわーやったー!信じられんー!!」

 とうとう見つけたのである。愛の結晶本を・・・。こうして二人は結ばれた。ってこともあるだろう。かなぁ?

 婚活を考えている人で、どうしたらいいか悩んでいる人がいたら、迷わず古本屋へ出かけよう。同じように出逢いを待っている相手にめぐり合えるかもしれない。古本が取り持つ縁、それもいい気がしませんか?

 (先ほどのカップルの続き)
 「最後のお店でやっと見つけられたね!」
 「ほんと、よかった!」
 「ところで、ここなんていうお店?」
 「まどそら堂だって!ス・テ・キ!」

 ・・・(あほくさっ)※店主

今日の国分寺はいい天気。晴れてるよー

本日のBGMはマイク・オールドフィールド。「クライシス」です。夕方から渋めにチェンジします。

明日は定休日ですのでお休みします。またのお越しをお待ちしております。

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by yoshizo1961 | 2013-10-30 15:18 | お店あれこれ | Comments(3)