2018年 03月 03日 ( 1 )

ジェニーちゃんとイレーヌちゃん

 いま国立新美術館で開催されている「至上の印象派展」の目玉はルノワールの《かわいいイレーヌ》※写真①だと思うが、このイレーヌちゃんにイメージが重なってしまったジェニーちゃん。

 ジェニーちゃんというのは、ロバート・ネイサンの「ジェニーの肖像」に出てくる不思議な少女のこと。主人公の売れない画家に描かれて、後世に美術館に飾られるその作品のイメージがイレーヌとピッタリなのだった。

 読み終えてしばらく経つけど、作中の、古くさくはあっても美麗な文章とその時代感が彷彿される描写の数々がとても印象的で、久し振りにいい小説を読んだなという感じ。ロバート・ネイサンは、1930年代頃に作品を発表していたアメリカの作家。多彩な人だったらしく小説以外にも、美術、音楽、スポーツ等に精通していたらしい。

 内容は、SF的レトロなファンタジーで、主人公の画家と時空を超えてやってくる不思議な少女とのせつない恋物語、というところ。なんかロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』のような話(ま、ちがうけど)。

 最近は展開がめまぐるしいエンタメ寄りの読書が多かったので、こうした落ち着きと豊かな表現に溢れた小説を読むと、心が落ち着きますな。やっぱ小説っていうのは、内容の面白さもさることながら、計算された表現を越えたその作品自体でもって自立しているような作品がいいですな。作家が書いているというより、作品に書かされているといった趣があるものというか。

 『ジェニーの肖像』、おすすめです。

 今日の国分寺は晴れ。

 今日流れているのは、サキソフォンの曲です。
※写真①
イレーヌちゃん
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ジェニーちゃん
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by yoshizo1961 | 2018-03-03 14:34 | SF・ミステリ | Comments(0)