先日の話。
ある日の午後、誰もいない店内に花が咲いたかのような可愛らしい女子が一人ご来店。うれしそうに棚から棚を移動して本を眺めている。ジロジロ見るわけにはいかないけどチラ見すると、ラフに後ろで縛った髪の後姿と横顔がどこか広瀬すずといった感じ。
お店の中を全部見終わると、いったん外に出てしまったので、ああ、お帰りですか…って感じだったんだけど100均ワゴンをチェックしに行ったみたいでまた戻ってきた。そしてそのまま帳場まで来ると、本はこれだけですか?ほかにもっと見られますか?と訊いてくる。
質問の意味がよく解らず、?という顔をしてしまったけど、倉庫にはまだ本がありますけど、いま見られる本はここにあるだけですと答える。するとニコッとして軽く会釈して帰っていった。
さて、彼女の質問の意味はどうだったのかということはさておき、こういう質問をされたときに、くそマジメに、ていうか普通に答えてしまう自分の余裕のなさ(ていうか面白くなさ)がちょっと哀しいかなと。そこでウィットに富んだ答えができればよかったのに・・・と後で思うのだった。
ここで村上春樹の小説だったら、・・・たぶんあなたが一生かかっても読みつくせない本がバックヤードに積まれていますが、あいにく今日はバックヤードのカギを預けているネズミがどこかに行ってしまってまだ帰らないのです。・・・えっ?ネズミ?・・・・・・これが僕と彼女の出会いだった・・・なんて話になりそう(ならないかw)。
そうでなくてももうちっとウィットに富んだ答えがしたい。と思って色々考えたんだけど、当意即妙に出てこない自分の当り前さが哀しい・・・。アメリカの小説を読むとそんな会話ばっかりなんだけども。村上春樹もその辺をきっちり自分のものにしたんだろうなー。うらやましい。
今日の国分寺は晴れ。
今日流れているのもサキソフォンのバッハです。