今頃になってやっとケン・リュウの「紙の動物園」を読む。
短編なのであっという間に読み終わった。この小説が長編になったらどうなるのかなと考えたりしながら読んだ。だって短すぎてもったいないのだ。もっと長い時間、この小説の世界に浸っていたかったから。
中国生まれのアメリカの小説家。翻訳のせいなのかわからないけどカズオ・イシグロ的言葉使いを感じ、ストーリーテーリングにおいては台湾の呉明益とか甘曜明を彷彿とさせるかなり自分好みの作家なのであった。
こうした小説が最近自分の周りに多く出没するのが不思議・・・ていうかそういう傾向なのだろうか。SFと言えばSF、そうなのかと言えばそうでもないそんなSFの香りをまとった小説というべきか。SF的軽やかさで色付けして深くて重いテーマをサラッと描く。そんな感じ。
まだほかの短編を読み切っていないのでこれから読むのが楽しみ。「紙の動物園」は何度も読み返したくなる小説でした。おすすめです。
今日の国分寺は晴れ。
今日の気になる一冊は上記の「紙の動物園」ケン・リュウ。ハヤカワ文庫。この短編集は2分冊になっており、短編集②がもう1冊あるのでそちらも楽しみ。いい作家を見つけてしまった(世間から見ると遅れていますが)。
今日流れているのは、「間を奏でる」です。