無限な自分

 先日行った多摩六都科学館で、三面鏡の中に入った時の話。

 三面鏡とは、文字通り3つの合わせ鏡。正3角形に組まれた等身大の鏡。曇り一つもないほど磨かれていて、そこは万華鏡と同じ世界。つまり自分自身が万華鏡の中にいるというわけだ。

 万華鏡はほんと見飽きない世界だけれども、この中にいるとまた違う感覚に襲われる。すぐ横に自分がいる。そしてその向こうに自分がいる。そしてその向こうにも自分がいる・・・。自分の周りには自分だらけだ。永遠に自分がいる。

 洗面台で覗くいつもの自分とは違う自分。正面性を持った自分には慣れているけれど、3角形の内角で斜めの角度から見る自分はいつもの自分ではない。正直、気持ちが悪い。ていうか自分でない自分がそこにいる。ドッペルゲンガー。まったく自分とは異質な自分がこちらを見ている。

 幽体離脱して自分を見たらこんな感じなんだろうなと。それくらいリアルに違和感を覚える鏡の世界。頭で想像すればそんなもんだろうとは思えるけれど、実際ボディスケールで感じて見ると、そりゃすごく怖いもんだった。子どもたちはただ素直に感じるだけなのだろうか。どこかに連れ去られそうな感覚って感じないだろうか。こんな風に感じるのは自分だけ?

 合わせ鏡は覗いちゃいけないって言うけど、思いっきりその中にいたわけで、ま、とにかくこの世の成り立ちまで考えてしまうような体験だった。世界はどうやって存在しているのか。本当に自分はここにいるのか。鏡の中は存在していないのか。鏡の中とこちらでは世界が違うのか。遠くの向こうに立っている自分はこちらを見ているけれど、自分の存在をどう自覚しているのか。たくさんの自分。無限な自分。

 子どもの科学体験の装置だとしても、これは、すごい装置。この世とは思えない世界へ入っていきたいと思ったらぜひどうぞ。

 今日の国分寺は晴れ。

 今日の気になる一冊は、「現代漫画12 つげ義春集」編集:鶴見俊輔・佐藤忠男・北杜夫。筑摩書房。編集で鶴見俊輔って・・・。定番のねじ式、李さん一家、ゲンセンカン主人など。けっこう山椒魚が好き。最近、つげ本が動かないのは何でかな・・・。

 今日流れているのは、ザ・シティです。
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by yoshizo1961 | 2018-08-10 15:00 | SF・ミステリ | Comments(0)
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