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第3回まどそらのこどもてつがく

 第3回目の「まどそらのこどもてつがく」、無事終了しました。

 今回の参加者は9名。男子5名、女子4名。その内リピーターが3名。初めて参加してくれた子どもたちもすぐ馴染んで、物怖じする子もなく、みんな元気いっぱい。

 自分の名前(ニックネームまたは架空の名前でも良し)を書いたシールを胸に貼り、思い思いの場所に座り、店内の本棚を眺めながらまずはお茶を一杯。おにぎりをほおばりながらいつものように自己紹介。ファシリテーターの幡野さんがまずお手本を。今回は自分の名前と、世界で一番好きなことをいっしょに。ハタ坊(幡野さんのニックネーム)は布団に寝転んでゴロゴロしながら天井を見ていることが好き、と。ここで爆笑。一気に雰囲気が和らぐ。子どもたちも自己紹介していく。みんなと笑い合えることが好き、ジャングルジム、プラム、マンゴーが好きなどなど。自己紹介しながら発言のウォーミングアップ。にんじんのグラッセがきらい、という子もいて何故?から話が広がっていく。 ここで参考資料としてこどもてつがくする子どもたちの映像を鑑賞。その後、てつがくってなんだ?の言葉から、今回のこどもてつがく、はじまりました。

 まずはルールの確認。ここが一番大事なところ。
①お話しを最後までちゃんと聞く。
②誰かが話そうとしているのを待つ。
③どんなことでも話していい。聞いているだけでもいい。でも考えるのをやめないで。

 この話を聞くというのが難しい。それと、話そうとしたことが上手く整理できなくてまごまごしても、その子の話をちゃんと待ってあげる。急かさず、いっしょに。そしてどんなことでも話していい。こんなこと言っちゃダメなのかなとか話したいことをセイブしたりとかしないで、何でもはなしていいんだよ、と。

 そして今日の問いを。みんなで今日何を話すのか、何を考えるのかを出し合ってみる。

 友達って何?頭をよくするには?なぜ人は悲しむのか?どうしていじめが始まるのか?いじめとからかいのちがいは?宿題は何でしなければならないのか?(つまんないのに)、なぜ言葉がうまれたのか?ハタ坊はなんでひげがはえているのに頭はつるっぱげなのか?ベートーベンはなぜ有名になったのか?ハタ坊はなんでそんなに字が汚いのか?

 多数決で決めようとの提案があり、結果7票獲得の「ハタ坊はなんでそんなに字が汚いのか?」が今日の問いに決定。この問いに対して自分の考えを話してゆく(放り投げても痛くない毛むくじゃら風のボールを持って話す。次に話す人にこのボールを渡す)。

 ハタ坊の字はめっちゃ汚い。大人なのに!子どもの時ちゃんと勉強した?などなどハタ坊にはつらい言葉がいっぱいに。でも字が読めるってことは汚いってことなのか?などちょっと方向が変わった意見も。では字が汚いってどういうこと?っていうハタ坊の問いかけが。

 雑、という意見。心がこもっていればよいのではという意見もありつつ、でも雑はいけません的意見が多数。ここでハタ坊の逆襲(?)。みんなに早く伝えたいがためにササっと書いているんだよって。それにハタ坊は実は書道七段です!と。みな衝撃を受けるかと思いきや、それはそれとして、ほんとはきれいなのに雑なのはどうなの?ってところに意見は集約されて行く。字が汚くとも心がこもっていればいいのではという意見を糸口に、字が汚いってどういうことだろうっていうところにつなげていこうとするハタ坊だったが、子どもたちは電池切れになりつつあり、集中力が一方向には向かず、時間切れとなった。もちろん中身はもっと細かく微に入り細に入りの会話が成されていたんだけど、集約するとこんな感じ。

 ここからは後ろで聞いていて感じた私の感想(ちょっと主観的です)。
今回は主題に行きつくまでの行程に時間を割いていたので、もう30分もあればよかったかなと。字が汚いという問いは大人にしてみたらそれほど重いものではないと思って聞いてはいたが、子どもにとってはかなり気になる問いだったよう。字の上手い下手が人生にどれほどの関わりを持つのかわからないけど、子どもは大人とは違う視点で字を感じているのかなと。または字を書くスキルを習得しつつある年頃だからリアルな問題なんだろうかとか。

 さてその問いに対しての考えを導くべく幡野さんの落ち着きぶりと、どんな問いであっても掘り下げて行く姿勢には頭が下がる。子どもたちの意見、考えを否定せず、小さなことでもすくい上げ、方向を指し示そうとするその姿は子どもたちの思考案内人としてベストであると。

 このこどもてつがくに参加している子どもたちの利発さはもとより、このファシリテーターの静かな熱情がまどそらのこどもてつがくであると思います。子どもたちとハタ坊のハーモニーが融合すると、独特の場が生まれます。

 主役の子どもたちはいつものごとく天真爛漫であり、かつ繊細であると。大人が口を挟みたくなる場面も多々あるけれどもやっぱりそれは大人の思考であり、子どもらの思考には子どもらの思考があり、それが大人と違うのは当たり前で、後ろで見て聞いているといつも新鮮な感慨があります。360度全方向への興味関心を持ちつつ、細部まで思考することができるようになれば世界は広がると思います。この子らはそれができそうです。

 参加してくれたみんな、保護者の方々、ファシリテーターの幡野さん、お手伝いの永井さん、主催のおやこテーブル・こさかさん、ありがとうございました。まちのおやこテーブル主催のこどもてつがくは、次回は西国分寺のクルミドコーヒーで行われます。

 今日の国分寺は曇り。たまに小雨。今日は定休日でしたが、ミーツ国分寺での催事もあり開けておりました。

 今日の気になる一冊は、お休みします。

 今日流れているのは、ブライアン・イーノです。
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by yoshizo1961 | 2018-04-24 18:59 | お店あれこれ | Comments(0)
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