休日の遠出

 先日の定休日に、遠出してみた。

 遠出と言っても都内。家からお店まで行ったり来たりで、どこにも行けない状況だったので、副店長といっしょにおでかけ。

 まずは新宿で画材を買いに。久し振りに歩く新宿東口。なるべく人通りが少ない歩道を進み、伊勢丹を突っ切り世界堂へ。そそくさと買い物を済ますと、来た道とは別の道をたどってまた駅へ。新宿の喧騒を肌に染み込ませつつ、なぜかその喧騒を懐かしく感じながらまた電車に乗って高田馬場へ。

 青空を仰ぎ見ながら早稲田方面へ。まだ陽は高いので日射しも暖か。途中、早稲田松竹でいまかかっている映画と、次回かかる映画をチェック。映画館の横にあったインドの店が無くなっているねって会話しながら、車道の向こう側のレトロな甘味屋もとっくに無くなっていたなって思い出す。

 いくつかの古書店をやり過ごし、早稲田大学を回りこむような道を進み、最近できたばかりの古書ソオダ水へ。ひなびたビルの2階。ドアを開けると、軽やかな音楽が流れていた。レトロな本棚や机に渋めの本が並ぶ。広くはないが機能的な配置で置かれた棚の本たちから瑞々しさが溢れている。清廉な古書店。比べても仕方ないが、最近なんでもドカドカ置き重ねている自分の店のありようが悲しい。

 数冊買い求め、お店を後にする。その後早稲田大学沿いの道を進み、正門を過ぎて大学そばの虹色社(なないろしゃ)へ。ここはあの「最大の素数」で話題になっているオンデマンド出版社。まどそら堂でも置かせてもらっているので、陣中見舞い。

 印刷機の脇でしばし歓談。朝から晩まで増刷に追われて寝る間もないらしい。次回作で最小の素数はどうだとか、校正はどうやるんだとか、他愛の無い話で盛り上がる。あれだけ分厚い本の中身が数字の羅列、しかもあの小ささ、それでいてひとつの数字でしかないということにいまさらあきれ返るが、たとえば、数字の中にニコちゃんマークとかまどそら堂とか入れてもわかんないんじゃないかって言ってみたら、ふつう一笑に付されるところが、それできるよって真面目なまなざしで食いついてくる。こういうところがこの出版社の強みなのかと思う。

 その後、穴八幡にお参りして、地下鉄に乗って荻窪へ。ささまに寄ってみたけど定休日だった(うちといっしょ)。線路下の地下道を通って北口へ。路地の呑み屋に後ろ髪を引かれながら大通り沿いを西荻方面、本屋Titleへ。

 日も傾き始め、風も強くなりつつあり、おなかも空いて寂しげな気分になりつつもひたすら歩く。これは道を間違えたかと、後ろを振り返るくらい歩いたところにTitleはあった。うやうやしく扉を開けると同時に新刊本のつやに圧倒される。古本を見慣れた目にはまぶしいばかり。好きな作家、好きな本、読んでみたい本などたくさんある。リトルプレスの棚も充実しているし。

 2階で開かれているイラストレーターさんの展示を見たりして、店内でゆっくりと過ごす。外はもう真っ暗で冷たい風が吹いている。最果タヒを買い、お店を後にする。Title手製のカバーをかけてもらう。

 西荻まで歩く。暗闇のせいか駅までの距離感があやふやになり、西荻界隈のにぎやかな通りに出られず、暗くて寒い道をとぼとぼ歩く。途中、歩く人に駅の方向を尋ね、修正して進んだ頃には空腹と寒さと歩き疲れで副店長もご機嫌ななめ。やっと西荻に着きそのままラッシュの中央線に乗って国分寺へ。いきつけの中華料理屋さんで紹興酒を呑み一息つく。

 仕事から離れて遊びに行ったつもりだったが、いつも以上に考えてしまう遠出となった。本と本に関わる仕事・・・。また行きたいです。

 今日の国分寺は晴れ時々曇り。

 今日流れているのは、ボブ・ディランです。
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by yoshizo1961 | 2018-02-15 16:37 | お店あれこれ | Comments(0)
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