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ファンタジーにみる日常

 先日、阿部智里の八咫烏シリーズ・「弥栄の烏」について書いたが、この八咫烏シリーズに限らず概ねファンタジーってものは、友情とか戦いとか姫とか王様とか剣とかが混ざり合ったようなお話しになって、もちろん異世界で、あんたそんなことあるわけないがなってことばかり起こる妙な世界。

 だからといってそのストーリーが見えさえすればいいってわけでもなく、登場人物のキャラの立ち方とか、魅力的なヒロインとかいろいろデティールにこだわりを持って、しかも文学的な言葉でもって描写しないと軽くなりすぎてしまうので、意外とその辺の純文学より文学的で、繊細な表現だったりする。

 けれどもいつも思うことだけれども、登場人物たちの心理や行動の描写は細かくても、たとえば日常的なごはんとかトイレとか買物とか銀行振り込みとかそんな普通の場面は一切ないのはなぜなんだろうか、と。

 そんな下世話な描写などいらないのだと言われても、たしかにそうだけれども、主人公がいまここで世界を救うことになる大事なシーンとその心理描写のはざまに、ああ、トイレ行きたいとか、今夜なに食べようかとか、帰りにコンビニ(さすがにないか)に寄ってコピーしてかなきゃとかそんなことが自然に描写されてもいいのではないか、と。

 ま、どうでもいいですか、ね。ファンタジーにトイレはいらないし、コンビニもいらない。ていうかそんな描写を普通に書いてる小説もあまりないか・・・。

 もっと身近な、お茶の間なファンタジ―を読んでみたいな。と、ふと思ったのでした。

 今日の国分寺は晴れ。今年もあと一週間あまり・・・。

 今日流れているのは、またまたピアノの曲です。
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by yoshizo1961 | 2017-12-23 14:22 | SF・ミステリ | Comments(0)
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