久し振りに奥田英朗を読んだ。『東京物語』。
1980年代。名古屋から上京して東京での10年が描かれる。たぶん奥田英朗の自伝的な話なんだと思う。けれどもこれがまったく自分の80年代とぴったりリンクするので興味深い。
80年代に20代だった人で、まだ読んでいなかったら速攻で読んでほしい(笑)。ロック好きだった人にも読んでほしい。当時の社会状況を下敷きにした当時の空気感がとても懐かしいし、それでいて上っ面ぽくない。
こんな感じで生きていたし、主人公みたいにはうまい感じにはいかなかったけど、気持ちはよくわかる。なんだかなぁ、80年代の20代・・・。
おまけに読書が苦手の人でもすぐにスーッと入っていける文章と構成。思うに主人公の頭の中の言葉をそのまま書き連ねているようで追体験しているようにつらつらと読めてしまうのだ。最近、読書離れしていて、何読もうかなと思っている人には最適な作家かな。
だがしかし、この本の最適な読者はまどそら堂の横の横にあるほんやら洞のラビさんかも。何故って?それは読んでみればわかります。今度会ったらもう読んでいるか聞いてみよう・・・。『東京物語』、おすすめです。
今日の国分寺は晴れ。真夏。
今日流れているのは、またしてもフランク・ポール。