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中学生をあなどるなかれ

 先日、2度目のご来店の小さなお客様の話。

 小さなお客様といっても、4月から中学生だというからもう小さくないんだけど、顔にはまだあどけなさが残る少年なのであった。いっしょにご来店の家族と小声で話しながらも、その眼は棚の本にくぎ付け。

 見るからに本好きの新・中学生。子どもの頃から本好きの子はたくさんいると思うが、この少年は相当の読書家らしく、同世代の子が手に取る範囲をはるかに越えて、ビブリオマニアと言っていいほどの食いつきをみせるので、下手におすすめなどしたら軽くいなされそうな気がして、本ににじり寄る姿をじっと見つめているしかなかった。そして、やっぱり興味を示すところが渋い本ばかりなのであった。

 自分も中学生の頃はそれなりに本を読んだつもりだが、ちょこっとレベルが違うかも。詳しく話さなくとも本を読み倒してる感が伝わってくるので、それなりでない王道の本読み少年かもしれない。しかも本の内容はもちろん、その装丁から古書としての古さ、本そのものの味わいをもうこの齢で知っているのである!

 頼もしいというより、この才能がまっすぐ開花するのを見てみたいという感じか。将来は作家か研究者か・・・と勝手に想像してしまう。勝手ついでに安部公房の「砂の女」をおすすめしてみた。先日まで小学生で、四月から中学生の少年に「砂の女」は難解か?いやいや、そんなことはないと思う。彼なら数日で読破するだろうね。こんな小さなお客様が来ると、とてもうれしい店主なのでした。

 今日の国分寺は晴れ。さっきまでポツリポツリきてましたが・・・

 今日流れているのは、キース・ジャレット。ケルン・コンサートです。
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by yoshizo1961 | 2015-03-23 14:11 | ちいさなお客様 | Comments(0)
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