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ランドセルの小学生

 昨日の出来事。

雨も上がって陽射しがうれしい日。冬なのに小春日和な暖かさ。こんな日は夜になると放射冷却で異常に寒くなったりするけれど、ともかく陽が出ている今はほのぼの暖かいのでいいとする。

 それでも西日が傾いてきたころ、黒いランドセルを背負った半ズボンの制服の小学生がお店のドアを重そうに開き入ってきた。そうだね、1年生か、2年生くらいか。自分の背丈より上の棚をせわしげに見まわしている。こんにちは、と声をかけるが応答なし。いま立っている左側の下段に君くらいの年頃で読む本が並んでいるよ、と無言のままテレパシーを送ってみる。通じなかったみたい。相変わらず上の棚を見回しながら、一瞬私の方に向き直り、そのまま出て行った。目で追うとお店の前で同じく制服を着た女子中学生?が少年を待っていた。お姉さんだと思うが、齢は少し離れているか。

 二人でバスを待っていたが、ほどなくしてきたバスに乗って帰って行った。入ってみたかったのかな、バス停の前にある小さな本屋に。まだ小さくて古本屋っていう意識もないだろうが。彼はどんなふうに本を見ていたのかなと思って、その少年が立っていた場所で腰をかがめて上段の棚を眺めてみる。全然景色が違う。

 色とりどりの本の背が覆いかぶさってくるような感覚か。子どものスケールだと、文庫本でさえ居丈高に鎮座しているかのよう。これが大型書店や図書館みたいな広くて大きくて明るいスペースで本と向かい合う感じならなんともないが、こんな小さな空間にそれでも本がいたるところに詰め込まれていて、どこか異世界で不可思議な場所に入ってしまったような妙な空気感を感じていたのならうれしいな。

 なんだかわからないけど、もういっぺん入ってみたい・・・お姉さんがちゃんと外で待っていてくれるから大丈夫・・・。そんな感じでまた来ればいいなあ、と。彼が大人になって、なんだか本屋ってこんな感じなんだよねって、刷り込まれていたらうれしいんだけど。雨上がりの暖かな日に、そんなことがありました。

 今日の国分寺は晴れ。穏やかです。

 今日流れているのは、昨日と同じくFくん70年代ロックCD。今日はカンサスが入ってるロック集。
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by yoshizo1961 | 2015-01-24 14:28 | ちいさなお客様 | Comments(0)
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