人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「冷たい方程式」はホントに冷たい

 トム・ゴドウィンの「冷たい方程式」を読んでみた。昔読んだことがあるが、再読してみて新たに疑問が。トム・ゴドウィンは、50年代後半から70年代くらいまでに作品を発表したアメリカのSF作家。
 
 初めて読んだとき、納得が行かない結末にモヤモヤした、ということを思い出した。再読してもそれは同じ。名作と言われ、SFの古典でもあるこの作品は、「方程式もの」というジャンルすら作ってしまった小説である。結末はこうしたらいいんじゃないか?と思う人がいっぱいいたからだと思うが、要するにみんなこの結末に納得できないわけだ。

 ネタばれになるので詳しくは書けないが、作者はどうしてこう冷徹な物語をそのままに出したんだろう?だから、冷たい方程式なんじゃないかって言われればそれまでだが・・・。
普通、もうちょっとひねったりしないか?その通り過ぎはしないか?

 読んでなければ何を言っているのかさっぱりわからないと思う。そこはすみません、速攻で読んでください。短編なのですぐ読めます。再読したとき、ああ、この展開は思い出してきた・・・などと思いながら読んでいたけれど、たしか、こういう結末なんじゃなかったか?と、勝手にストーリーを作り上げて読んでいた。まったく違っていたので、ええー?と再度首をひねる・・・。自分が勝手に想像していた結末は、密航者の少女に替わってパイロットが自分の意志で船外に、というものだった。オマージュや2次創作ものの「方程式もの」の中にこの展開にしたものはある?(どなたか知っていたら教えてください)

 でもそうだったらそうだったで、これほど残る作品たりえたかと言えばそんなこともないだろうし・・・。やっぱり冷たいままなんでしょうな。残る作品としては。

 それでもなんだかのど元に引っかかるなあ、これ。少女が可哀想というより、この設定に疑問を感じるわけですな。よく考えれば。ああ、なんだかモヤモヤする!(というより、あらすじを知らないでこの感想読んでる方がモヤモヤする?)

 今日の国分寺は曇りのち晴れ。明日は定休日なのでお休みします。ではでは、また金曜日に。

 今日流れているのは、昨日と同じくブライアン・イーノ。昨日来てくれたお客様に流してる音楽について褒められたので、調子に乗って今日も同じものを。
「冷たい方程式」はホントに冷たい_b0304265_15899.jpg

by yoshizo1961 | 2014-09-03 15:08 | SF・ミステリ | Comments(0)
<< エアロスミス「エンジェル」 眠くなったら・・・ >>