しんせつなともだち

 親切な友達を持っていますか?

 今日は「こどものとも」1965年4月号として発行された、ファン・イーチュン作・君島久子訳・村山知義画「しんせつなともだち」のはなしを。

 この絵本には原典があり、「夢ト回来了」という。朝鮮戦争時の慰問団が送ったりんごが巡りめぐって戻って来たと言う実話から出来たおはなしである。横長の版を開くと、雪がこんこんと舞う中、うさぎがたべものをさがしに行く場面からおはなしが始まる。雪の中、ふたつのかぶを見つけたうさぎは、ひとつは自分で食べもうひとつを友達のろばのところへ持って行くが、あいにくろばは留守だったのでうちの中にそっとかぶを置いていく。食べ物を見つけて帰ってきたろばは、うさぎと同じようにそのかぶをこやぎの所へ持って行くのだ。こやぎはこじかへ、こじかはうさぎの所へと、かぶは巡りめぐって戻って来る。

 この絵本が魅力的なのは、その教訓めいたぐるぐる話もさることながら、絵のインパクトが大きいのではないか。月並みな言い方だが、絵のタッチが素朴で良い。立体的な陰影のつけ方や、透視的に描かれた家の中、またその家具や道具のデフォルメされたかたちと大きさ。そして、目立たないがいちばん効果をもたらしているのが雪の構図だ。いちめんの雪が画面上に配置され、しんとした静けさを生み出す。そしてその白さ故に描かれた部分そのものが引き立ち、おはなしの文字も浮き立つ。

 発行された年代にリアルタイムでこの絵本と接した者なら、懐かしさを禁じ得ないだろう。お店にある版は、1971年2月発行の第3刷のものだ。1987年にハードカバー版が出て、2007年にも新らしい版が出ている。

 数少ない友達には色々世話になりっぱなしだが、いつかお返しができればと思う。この絵本みたいに。

 今日の国分寺は曇り。明日は雨?それにしても寒くなったなぁ。

 本日のBGMはファイヤーハウスとシンデレラなどメロディックなロックを中心に。ただ、友達が編集してくれたこのCDの最後の曲はフランク・マリノ&マホガニーラッシュの「ワールド・アンセム」
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。知っている人は知っている、知らない人は知らない。けれども自分にとって大事な曲だということを知っているともだちに感謝を。



 
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by yoshizo1961 | 2013-10-18 16:27 | 本あれこれ | Comments(2)
Commented at 2018-05-06 17:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yoshizo1961 at 2018-05-07 14:10
しんせつなおくりもの様 ご指摘ありがとうございます。「夢ト回来了」の夢は梦ということでしょうか?
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