伝説の人が・・・。

 先日少し触れたが、伝説の人がまどそら堂に来店された。

 といっても芸能人とかアーティストではなく、ごくごく普通のご婦人である。年配のご婦人ではあるが、たまたま寄っていただけた。もったいぶらずに言うとそれは、椎名誠の「さらば国分寺書店のオババ」に出てくるオババの店で働いていた方なのである!オババは既に他界されているが、こちらのご婦人はお元気なのである。

 懐かしげに棚を見やる姿に、なにやら只者ではないオーラが。それとなくお声をかけ、会話の中からそんな話しが出たのでびっくり。実は先日いらした男性の年配のお客様から、こちらのご婦人の話を聞いたばかりだったので、そのタイミングの妙にうなってしまった。オババも凄かったらしいが、こちらのご婦人もかなり凄かったらしい。相当面白いエピソードも聞いていたので、それとなくこの年配の男性の話を向けたら、しっかり記憶されていた。

 ご婦人の話によれば、オババは相当きびしかった方で、棚にチリでもあろうものならかなりきつく叱ったそうだし、お客が本の上に荷物など置こうものなら、凄い剣幕でどやしつけたらしい。本に対する愛情故のことだが、うちのお店の棚などみたら相当叱られそうな気がする。

 せっかくだからサインしてくれとせがんだら、一笑にふしてそれはしてくれなかったが、そんな話しはしてもいいとお許しを貰った。そしてひ孫さん?のために絵本を買っていただいた。お元気そうなのでまた来ていただけると嬉しいが、今年の夏に椎名誠特集をした時お見えになっていたら、もっと盛り上がっていたに違いない。

 伝説の古本屋「国分寺書店」のDNAを、うちのお店にもほんの少し落としてもらえたかも。ありがとうございます。

 今日の国分寺は晴れ。クリスマスフェアの飾りつけでてんてこ舞い。まだしっかり出来ていないのでちょっとゆるく始めています。まだ長いし。

 本日のBGMはクラフト・ワーク。「ショールーム・ダミー」が耳蛸です。
b0304265_18282036.jpg

[PR]
# by yoshizo1961 | 2013-11-23 18:27 | お店あれこれ | Comments(0)

「まどそら堂で恋を探そう」

 あー今日もいいお天気。お洗濯が済んだらすぐにお出かけしよっと!今日はどこに行こうかな?

 
 国分寺に引っ越してきて初めての休日。ご近所には慣れてきたけど、まだ知らないお店がいっぱいあるし、探検しなくちゃ。そうだ、今日は南口に行ってみよ。たしか中央線のガードをくぐれば行かれるはずよ。
 
 へぇー、こんな感じなんだ。あっ、かわいいお店発見!パン屋さん?キィニョンっていうんだ。かーわいい!帰りに買って行こ。ふーん、お隣のお店は?あー、ブティックかしら、なんかおしゃれ。セレクト系?ちよっと覗いてみよ。やだ、ダンディなおじさまがいるわ、ここのご主人かしら。alvaっていうんだ、このお店。すてきだわ。

 結局ダンディなご主人と話し込んじゃって、この辺りのお店も教えて貰っちゃった。かわいい古本屋さんってこっちでいいのかな?あっ、バス停、やだ、ここじゃない。わー、ちっちゃーい。でもかわいいー。へー、こんなお店もあるんだ。

 「こんにちはー」
 「いらっしゃいませー」

 わー、ほんとに三角なんだー、おもしろーい。なんかかわいー。わたしの好きそうな本はあるかなー?

 手前にあった絵本を手に取りながら、店内を見回したわたし。すると衝撃的なことが。わたしのうしろに素敵な男子が立っていて、微笑みながらわたしを見ている。

 「どきん・・・」

 やだ、わたしったら。どうしちゃったの、手のひらに汗・・・わたし思わず目をふせちゃった。それからゆっくり顔を上げると・・・えっ、いない・・・。

 「あっ、あのぅ、いまここにいた人は?」
 「えっ?いま?今っていっても、さっきからお客さんと私しかいませんけど・・・」
 「いえ、いまここに確かに素敵なひとが・・・あっ、いえいえっ、素敵って、あの」
 「あーわかりました。ハハハ、あれでしょ、そこのドアのガラスに映った私を見てそう思ったんじゃないかな、いやー、素敵ってほどでも・・・ハハハハハ・・・」

 あーやだ、ここのご主人なんか変、感違ってる?話しかけるの、よそ。それにしてもおかしいわ、まぼろし?そんなことってほんとにあるの?

 
 あれから一週間。毎日あの店で逢った幻の彼のことで頭がいっぱい。もしかしてこれって、恋?とにかくこのままモヤモヤしてられない。確かめに行かなくっちゃ、あのお店、まどそら堂へ。

 「こんにちは」
 「いらっしゃいませー」

 こないだと同じ。ご主人とわたし以外に誰もいないことを確かめると、またあの時の様に絵本を手に取ってそおっと辺りを見回してみる。うしろをゆっくり振り返って、持っていた絵本を思わず落としそうになる。「いた・・・」

 またわたしを見てる。あの時と同じように微笑んで・・・。しっかりして、しっかりするのよ、わたし。今日こそ声をかけるのよ。

 「あっ、あのっ、わたし、あのっ、」
 「?」
 「あの、先週ここでお会いしましたよね、あ、つまり、あのっ・・・」
 「先週?うーん、まあ、先週というより僕はいつもここにいるけど?」
 「えっ?いつもって?」

 えっ、ちょっと待って、いつもここにいるって、やっぱりここのご主人だったってオチはだめよ。そうじゃなくて・・・その時わたしの足元に一冊の本が棚から落ちてきた。拾いあげようとしたら、いつの間にかご主人が横にいて本を拾い上げた。

 「またこいつか。あっ、ごめんなさいね。足元大丈夫だった?いやぁね、たまに出て来るんだよ。悪いやつじゃないんだけどね、っていうよりすごくいいやつなんだけどさ」

 そう言うとご主人はその本を元々あったところへ戻そうとした。

 「あの、その本見せてください」
 
 結局わたしはその本を買った。有名な本だったけど、まだ読んだことなかったし、それにご主人から手渡されたその本の表紙に彼がいたから。残念ながらわたしのうちにきてからは彼はまだ出てきてくれない。まどそら堂のご主人はちょっと困った顔をしていたけど、彼に逢いたかったら、彼に気持ちを寄せて読んでごらんって教えてくれた。だからいつかわたしの前にまたでてきてくれると思ってる。

 この街が好きになりそう。楽しい出逢いがたくさんありそうだし。もしくじけそうなことがあったら、またまどそら堂に行こう、恋をさがしに。


 今日の国分寺は晴れ。さっきからお店の前のバス停でずっといちゃいちゃしているカップル(高校生?)が。あーやっと乗ってくれたか。二人の話が聞こえてきて耳がダンボになってました。しかし、こんな長々と書いている場合ではないのですが。明日からクリスマスフェア2013「私の上に降る雪は」と題して、クリスマスギフトの雑貨、手作り作家による作品の展示・販売が始まります。よろしくー!

 本日のBGMはクロノス・カルテット。たまにはしっとりと。

 
b0304265_1726543.jpg


 


 

 
[PR]
# by yoshizo1961 | 2013-11-22 17:25 | 創作 | Comments(0)

むらのまさのり展ファイナル

 本日、むらのまさのり展の最終日です。

 わずか11日間の展覧。あっという間に経ってしまった。16日の夜のイベントはかなり良かったし、お店に来れなかった方から、どうだったか聞かれることも多かった(11月17日のブログ「音羽亜図美登場!」参照)。

 最近、乾燥しているからなのか、レシートがこころもち丸まっている。それはそれで表情がついて、いいのかも知れない。ひとつひとつ描かれたレシートを丹念に見ていくと、結構、描きこんでいるものが多いのに今更ながら驚く。さらっと描いているようでも、格闘のあとが見受けられる絵が多いのだ。なにしろ一日中彼の絵の中にいるので、見ていないようでも視覚のなかに入ってくるわけで、その時そのときでしばし考えるというわけだ。

 なにやら溜まった思いのたけを、そのままぶつけたような絵もあるし、うちに帰ってきて、ごろんと寝っころがって描いた様なゆるいものもある。たぶんボールペンをいつもポケットに忍ばせていて、買い物をした後そのレシートに、たとえば電車の中や、道端で描いているものもあるのかも知れない。
b0304265_14554161.jpg

 なにはともあれ、毎日ではなくともルーチンワークと化す行為は、ともすればマンネリ化して自己模倣を繰り返すこともある。けれども作家本人が、いつも新鮮な眼で世の中を見ていればその懸念もない。むらのさんはまだ若いし、そうした眼で周りを捉える才能もあるだろうから、これからの展開に期待している。

 少し経って、落ち着いてまた、彼の作品とこの場所での発表についてのまとめをしたいと思う。いまこの時間、どこかでレシートに何か描いている人がいたら、それはむらのさんかもしれないよ。

 今日の国分寺は晴れ。乾燥してます。

 本日のBGMは押尾コータロー。ギターの音色は、いろいろな想い出を呼び覚まします。
b0304265_14572890.jpg

 
[PR]
# by yoshizo1961 | 2013-11-20 14:57 | 展覧会情報 | Comments(0)

「まどそら堂ART虎の穴」始めます

 お知らせです。

 「まどそら堂ART虎の穴」と題して、アート全般、または(アートではなくても)時事に関するあらゆる題材を掘り下げて考察する会を、まどそら堂にて始めます。 

 あらかじめひとつのテーマを決め、それに沿って参加者自らが考え、或いは制作し、表現します。考察の仕方や表現の方法はひとそれぞれで良しとし、表現されたものを参加者同士で講評します。物事の本質にせまることで自らの感性を磨き、思索のスキルを身につけることを目的とします。他者の表現と自らのそれをすり合わせたり、または反発したりしながらディスカッションします。

 もちろん学校のゼミでもサークルでもありませんから、レポート提出といったような堅苦しいスタイルではなく、調子が良くなければ見学だけでもかまいませんし、あらかじめ何かを制作して来なくてもその場で即興で表現することもOKです。また、考える事も、作ることもはじめから括りを設けず、あらゆる可能性の上で表現できればと思いますが、飲酒・喫煙、大きな音を出すとか、暴力的な振る舞いとか、思想信条を強要するものなどはNGですのであらかじめご了承ください。

 先月(10月2日)に83歳で亡くなられた文芸評論家の秋山駿さんは、一つの単語を定義するのに3時間かかると言われたそうです。また、道端から拾ってきた石ころを机の上に置き、いろいろな問いかけをしたそうです。一貫して「本当の言葉」を求め続け、自分で定義した言葉だけで表現し、欧米の借り物の理論を排し、実感を掘り下げるように作品を論じた(11月18日付け毎日新聞記事より抜粋)そうです。実際、表現とはそういうものかもしれません。

 とりあえず来週の月曜日の夜(11月25日)、19:00より会を開きます。それ以降の予定はその時点で決めて行きます。会費500円です。簡単なお茶(珈琲)、お菓子などはご用意いたします。店主も参加しますが、男女の大学生二人が進行役を務めます。興味のある方は当日の夜お店においでください。最初のテーマは、「中二病」です。

 借り物の言葉ではなく、自らの言葉を紡ぎたいあなたのご参加をお待ちしております。

 今日の国分寺は晴れ。今日、伝説の人が来店された。詳細はまた後日、お楽しみに。今夜は少し営業時間を延長して9時頃までやってます。

 本日のBGMはマイク・オールドフィールドの「プラチナム」。いい感じです。
 
b0304265_13432584.jpg

[PR]
# by yoshizo1961 | 2013-11-19 17:30 | 虎の穴あれこれ | Comments(0)

「棚」

 棚の本はきれいに整理して並べるべきか、否か。

 ジャンル別、もしくは関連する書物で分類して棚を作っているが、著者の50音別で並んでいる棚に慣れているお客様には、こうした並べ方に戸惑う方もいらっしゃる。うちのお店の棚は少し特殊で、小さなボックス状になっているので連続して同じ系列の本を並べていくには無理があり、大雑把に文庫、単行本、雑誌などに分類してギューギューに詰め込んでいるという感じ。

 お店の入り口寄りは少し間口に余裕があるので、お客様は入り口あたりの棚を中心に見て行かれ、奥の棚には近づいて来ることが少ない。狭いところに、床に箱を置いて並べだしたので、お店の奥の棚には物理的に寄って来づらくなっている。

 当初から入り口手前寄りに文庫本をまとめて並べているが、最近もっと混ぜこぜにしたほうが面白いかもと思う様になった。というより、前述の理由から手前側の空間の方がより購買力が上がるので。

 けれども新しく入荷した本を入れたり、棚の整理を始めると、どうしても隣の棚に派生してそれが芋づる式に伝染し、結局手に負えない状況へと追いやられる。でもきれいに整理されているより、しっちゃかめっちゃかに積み上げている様なパターンがお好きなお客様も少なからずいらっしゃるので、多少救われる気もするが、うちのお店で床に積み上げるとほとんど立つ場所が無くなるので、それだけはしない様にしている。

 いつも新鮮な棚でありたいと思っているが、実際そうもいかないのが現実。けれどもまず第一に棚作りが大事なので気をつけなければと思っている。たまに目茶苦茶になっていて、なんでここにこんな本が、ということもありますが、わざとではなく店主の単なる力不足によるものです・・・。

 今日の国分寺は晴れ。意外に古物の講習会が長引いてお店を開けるのが遅くなりました。早い時間に来てくれたお客様がいましたら、申し訳ありませんでした。

 本日のBGMもイーノです。
b0304265_1833936.jpg

[PR]
# by yoshizo1961 | 2013-11-18 18:33 | お店あれこれ | Comments(0)