「ほっ」と。キャンペーン

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2013年12月28日

 今年ももう年の暮れ。今年の営業は本日まで。

 5月半ばに開店して、早や半年。あっという間でありました。最初はレジも打てず、お客様の顔もまともに見ることも出来なかったのに、今は(たまに間違えてパニックになるけど)レジも打てるし、お客様と話しをする余裕も。

 シャッターを開け、掃き掃除をして本のほこりをはらい、BGMをかける。そんな毎日の始まりがとても新鮮で、何回やっても飽きません。売上が少なければ落ち込みますが、なんやかやといってお客様が来てくれて声をかけてくれるので、やってこれました。来年も、こうしてお店をやっていこうと思います。皆様、来年もどうぞよろしくお願い致します。

 こんな小さな古本屋でも何か出来ないものかと、特集を組んで本を並べてみたり、むらのまさのりさんの展覧会をさせてもらったり。学生さんを中心に「虎の穴」と称した考察をする会を、夜やってみたり。まだまだやりたいことはいっぱいあるけれど、来年は地に足をつけて、まずは本をいちばんに(あたりまえですが)。内容、状態ともに質のいい古本を集めて、お客様にご提供できるよう、こころがける所存です。

 来年はあれもこれもと焦らず、ゆっくり落ち着いていきたいと思いますが、作家の展覧会、「虎の穴」ももちろん続けます。特集展示も「詩」と「国分寺の今、むかし」といった内容のものを企画しています(いつ出来るかは未定ですが)。

 このブログも9月から始めて、早や4ヶ月(まだ4ヶ月?)。営業日には必ず書くという取り決めを自分の中で作って続けてきました。毎日書いていると、独りよがりな話があったり、拙い表現で赤面するようなところもあったりしますが、自分で書いた事は、自分でちゃんと責任を持って望もうと思っています。来年もこんな調子で書き続けていきますので、皆さんどうぞよろしく!

今日の国分寺は晴れ。寒いですねー。

本日のBGMはクリンぺライ。ぽこぽこミュージックです。

 新年は1月6日(月)より営業いたします。ブログも6日から再開です。この年の瀬にきて、風邪をひいてしまいました。寒いし、流行っているので皆さんお気をつけて。

 ではでは。良いお年を!!
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by yoshizo1961 | 2013-12-28 16:34 | お店あれこれ | Comments(0)

太刀掛秀子、乙女のかなた

 太刀掛秀子を語るには、読み込んだ作品数が少なすぎる。が、陸奥A子、田渕由美子について言及したからには、太刀掛秀子をはずすわけにはいかない。乙女チック3羽がらすの一人であり、陸奥A子、田渕由美子と比較されながらも独自の世界を築き上げた太刀掛秀子。いまここで、その世界に触れてみよう。

 断っておくが、リアルタイムで太刀掛秀子を読んでいるはずだが、店主のあたまの中には、さほどその記憶は残されていない。よって改めてその作品を読み、いま現在感じられる彼女の魅力について語ることにする。うちのお店には、りぼんマスコットコミックスの「P.M.3:15ラブ・ポエム」と文庫版の「ふたつのうた時計」の2冊しか無いので、その中から「P.M.3:15ラブ・ポエム」(昭和50年りぼん10月号掲載)単独の考察とする(太刀掛秀子の代表作といえば、「花ぶらんこゆれて」と、皆が口を揃えるが、店主はまだ未読なので読後に再度読み解こうと思う)。

 まずはじめに感ずることは、乙女チックのくくりでありながら陸奥A子、田渕由美子の特徴でもある「ファッション性」の要素が薄いということ。となれば、乙女チックたる理由はどこにあったのだろうか。発表の時期が重なっているから?甘い感じの絵柄から?そのあたりが不明確であるが、その時代の空気の中では、乙女チックの世界観を踏襲していたということであろう。

 しかし「P.M.3:15ラブ・ポエム」においては、その話の展開と、その表現のなんともいえない面映さによって特筆される作品となっている。具体的にいえば、主人公が驚いたり、何か感情の起伏があるたびに、その顔の描写が大げさすぎるほど激情的になる。1ページに1カットくらい、眼が☆(星)になり口はあんぐりと開けたままで、擬音とびっくりマーク付きの「どきっ!」とか「ばさっ!」とか、とにかく表現が大げさなのである。そしてそれが面映い。というか、こっ恥ずかしいのである。だからといって、よくないと言っているのではなく、これこそが太刀掛秀子の真髄なのである。

 要するに、表現が若さに溢れ、そしてその若さそのものが、大げさな話の展開となっていくのである。当時の10代の読者が引き込まれていくのは必然なのである。同じ乙女チックの陸奥A子や田渕由美子との違いは、この起伏の激しい独自なストーリィーにある。だから太刀掛秀子は語り継がれているのだろう。余談だが、このお話の中で「かわゆい」という表現が頻繁に使われている。当時流行った言い方だが、時代の面映さをも内包してこそばゆい。

 奇しくも太刀掛秀子について書こうとした時、うちのお店のお客様で、乙女チックに造詣が深い方がちょうど見えられたので、太刀掛秀子について聞いてみた。そのお客様は「太刀掛秀子の真髄はドラマ性にある」と言っておられた。まさにその通りなのである。

 しかしそれは、太刀掛秀子の代表作ともいえる「花ぶらんこゆれて」あたりの時期についての話でもある。だから初期の作品「P.M.3:15ラブ・ポエム」においては、そのドラマ性の若葉が芽吹き始めた頃であり、その後の「花ぶらんこゆれて」で、そのドラマ性は真に開花するのであろう。読んでいないから何かを言えるわけではないが、想像はできる。(初期の作品から)太刀掛秀子の描くテーマには”重い”ものが混じる。それらも含めたドラマの重厚さを想像してしまう。いつか読んでまた読後感を書いてみたいと思う。

 陸奥A子、田渕由美子とともに語られる、太刀掛秀子の乙女のかなたには、何が待っているのか。さあ、みんなで「乙女ちっく」を読もう!

 今日の国分寺は午後から雨。外に出したあと、すぐまた100均ワゴンを中に入れたりと、雨には泣かされます。今年の営業も明日まで。気合を入れましょう!

 本日のBGMはエディット・ピアフ。雨音になじみます。
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by yoshizo1961 | 2013-12-27 17:46 | マンガあれこれ | Comments(0)

クリスマス・フェア最終日

 クリスマス・フェア’13「私の上に降る雪は」と題した展示販売も、今日が最終日。クリスマスツリーのオーナメントからマフラーまで、あったかほっこりの手作り作品やおしゃれ系の雑貨など、取り揃えて。

 残念ながら雪は降らなかったけれど、今年もクリスマスが来て、もうすぐお正月。一年は早いですねぇ。来年はいい年になればいいですね。うちのお店もがんばらないと。「お店情報」では既にお知らせしていますが、今年は12月28日(土)まで営業、新年は1月6日(月)からです。

 クリスマス・フェアの作品をじっくり眺めたりしていると、味わい深くなってきますね、作品そのものが。小野さんのフエルトって、ほんと手間がかかってるなーとか。トナカイはお子様に人気。人気といえば小林さんのネコちゃんは、若い女性に人気がありましたねぇ。ぱらぱら絵本も。鈴川さんのステンドグラス作品も、クリスマスムードを盛り上げてくれました。

 赤尾さんの雑貨もかわいいーってみなさん言いますねぇ。天野さんのポーチは、かなりの力作。大事に使えば一生ものですよ。きなこ屋さんのマフラーや手袋も同じく一生もの、手間とこころがこもってます。

 そんなわけで今日までですが、まだ時間ありますから、皆さん寄ってくださいましー!

 今日の国分寺は晴れ。底冷えしますが。明日、木曜日は定休日です。

 本日のBGMも一日中、クリスマスですよ。
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by yoshizo1961 | 2013-12-25 14:31 | お店あれこれ | Comments(0)

イブだけど、磐音よさらば

 今日はクリスマスイブ。国分寺では、「ホワイトクリスマス」とはなりそうもないけれど、北の街では雪の降るイブなんでしょうなぁ。

 恋人たちは今日はお祭りですな。早いとこ仕事片付けて、街に繰り出すか、お部屋でクリスマスケーキとプレゼントの交換?なんにせよ、いっしょに過ごす相手がいての話。なかには一人でイブを過ごす人もおられるでしょう。でも、さみしいと思うのは間違っていますよ。人は元々孤独なのですから・・・。(←おーい、今日はどうしたんだー?)それはさておき、どこにも行く予定がないというあなた、まどそら堂でクリスマス・フェアやってますよ。明日までですし。一応、19:00になったら店主はさっさと帰りますが、それまでの時間、お店で遊んでいって下さい。クリスマスの音楽かけてお待ちしております。

 さてさて、イブの日にまったくそぐわなくて申し訳ないけど、今日は時代小説の話を。

 古本屋といっても、どんなジャンルにも明るいというわけではない。(うちの場合、詳しくないジャンルの方が多いかもしれないが)特に時代小説は不得意。司馬遼太郎の「竜馬はゆく」とか、春陽文庫の古い時代物を少し読んだ事があるだけ。新しいところでも和田竜の「のぼうの城」、「忍びの国」、「小太郎の左腕」くらい。そこでお客様に聞かれたら詳しくはないにせよ、せめてその世界観くらいは話が出来るようにと、お店を始める前に佐伯泰英の「居眠り磐音江戸双紙」シリーズを読んでみた。

 時代物のなかでも超人気シリーズで、NHKでもドラマ化されているから皆さんもご存知だと思うが、1巻の「陽炎ノ辻」から40何巻まで続いているお話。どんな話か?くらいのノリで読み始めたのに、自分でも信じられないほどはまり込んで40巻読んでしまった。来る日もくる日も磐音三昧で、思考回路も磐音の言葉になってしまうほど。解き放たれるまでしばらく時間がかかり、その間、他の本が読めなくなったほどだ。

 お店を始めた時も時代小説の棚を作って、磐音ももちろん並べた。バンバン売れるだろーなーと思っていたけれど、そんなでもない。そこで、時代物が好きなお客様が来ると読んでいなければ磐音を薦めていたが、それでもそんなに売れない。まぁ、ベストセラーだから巷にいっぱいあるし、大体自分は乗り遅れて読んでいるので、タイムリーでもなんでもないというところだったわけだ。

 いつしか時代物の棚も、春陽文庫ものくらいしか並べなくなった。残念だが磐音も100円ワゴンへ。しばらく並べていたが、それでも動かないのでダンボール箱に入れられ、倉庫へ。
すると、このワゴンにあった磐音はもうないのか?というお客様のお問い合わせが!

 やっと日の目を見ることになりそうだ。さっそく倉庫から持ってきた。まばらに売れていたので全巻揃いではないから、買っていただけるかはまだわからないけれど、多分、磐音の落ち着き先となる気がする。あの熱狂した時間をありがとう。こんなイブの日に、まったく合わないけれど、さらばじゃ、磐音!

 今日の国分寺は晴れだけど曇り。今日はドア開けてます。

 本日のBGMもクリスマス。明日もね。
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by yoshizo1961 | 2013-12-24 15:56 | 本あれこれ | Comments(0)

昭和あります

 昨日は70年代ロックだったが、今日は昭和のあれやこれやを。

 70年代の少年マガジンがまとまって入荷したので、懐かしーと思いながら拭いていたら、裏表紙の広告を見て、ひぇーと飛び上がった(そこまで驚いたわけじゃないけど)。70年代半ば頃流行った、フラッシャー付きの自転車!乗ってたよー!単一の電池6本だか8本入れて、重たい割りにはすぐ電池なくなるし。しゃらしゃらピッカーって感じで、道を曲がるたびにウィンカー出して。これこそ昭和の遺物・・・。忘れてたけどそんなものが結構あったなぁと、お店の本をチェックすれば、昭和本がいっぱい。古本屋だから当たり前だけど、昭和の本がほとんどだよなーとあらためて思うのだった。

 いまどき銭湯も無くなりつつあるし、となれば、あの富士山の絵も無くなっていくわけだ。あれも昭和だよね。来年ハリウッド版のゴジラ映画ができるらしいが、怪獣映画も昭和の象徴だ。そういえばペナントというのはまだあるのだろうか。修学旅行で京都へ行けば、新京極の土産物屋で皆が買ったペナント。集めてた人いるだろうなー。学校ものなら、象が踏んでも壊れない筆箱とか、オレンジ色の肝油とか。牛乳は噛んで飲めと教えられたし(そういえば給食用のアルマイトの食器も入荷しました!)。リリアンとか粉ジュースとか。平成の世では考えられない遺物ではあるけれど、チクロとか、合成着色料で舌を真っ赤にしながら生きてきた昭和世代には懐かしいものばかり。

 給食の鯨の立田揚げが食べたくなった。揚げパンも。袋めんと三角牛乳の衝撃は今でも忘れられないが、そんな昭和関連の「懐かしの昭和こども新聞」とか石子順造の「ガラクタ百科」など面白い本がありますので、お店にどうぞ。

 今日の国分寺は晴れ。北口の駅前あたり、すごいことになってきたねー。それから、Tシャツのお客様、「ハイウェイ惑星」お店にあったよ!アンソロジーの中にあったんで気がつかなかった!もしかしてこれ読んでたら来てー。

 本日のBGMは一日中、クリスマスCDです。
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by yoshizo1961 | 2013-12-23 16:07 | 本あれこれ | Comments(0)

ワールドアンセムよ永遠に

 今日は、国分寺の北口にある「チェリーレッド」(お酒はもちろん、カフェでもありギャラリーでもあるお店)さんでレコード市を開催していたので、お店を開ける前に速攻で行って来た。ウィングスとツェッペリン、トーキングヘッズとトム・ウェイツを購入。これらは自家用。家でのんびり聴こうかと。

 お店でレコードをかけたいが、プレーヤーを置くスペースがない。まあ、いつものBGMにはCDで間に合うけれども、レアな音源で、しかもノイズたっぷりというのもいいかも。BGMというか、お店でかけている音楽はロック系が多い。マイク・オールドフィールドやイエス、キングクリムゾン、ピンクフロイドなどのプログレか、ツェッペリンやディープパープル、クィーンなどのハードロック系。それ以外にもミニマルミュージック系や現代音楽でもわりとポップなものとかほんの少しだけジャズも。

 やはり、多感な10代後半に洗礼をうけた音楽が、自分のバックボーンになっているわけだが、高校の同級生で、ギターがめちゃくちゃ上手くて、ロックにも詳しいF君という友達がいて、彼から受けた影響が、そのままうちのお店のBGMに反映している。

 F君は地元では伝説のギタリスト(地方の田舎の学校内だけの話だが)で、物理室にあった試験管を薬指に差し、ギュイ―ンとジョージ・ハリソンばりの音を出して皆を驚かせたり、バンド仲間のE君とともに演奏したブラックサバスの「フラッフ」で女子を泣かせたり。10CCの話をしたのがきっかけで、それからいつの間にかロック魂を伝授されていたというわけだ。上京してからもつるんで遊んでいたので、彼が録ってくれるテープを毎日聴きながら暮らし、ロック好きの耳になっていった。

 F君はいまも音楽関係の仕事をしていて、ロック情報を提供してくれるが、相変わらずベースは70年代のロックなのである。そして、その頃を象徴する一曲がフランク・マリノ&マホガニーラッシュの「ワールドアンセム」。落ち込んだ時には、大音量でこれを聴けばちからが甦る。そういう曲って誰にもあるよね。というわけで、本日前半はツェッペリンとかイアンギランバンドとか、かけてました。

 今日の国分寺は晴れ。さむー。開催中のクリスマスフェア、手作りすとの天野由里子さんの作品がお目見えしております。作品をフェイスブックページの方で紹介しておりますので、よろしくー。

 本日のBGMは前述の通りですが、後半からクリスマス仕様に突入!クリスマスフェアを盛り上げるべく、美杉のきなこ屋のおじさんから贈られたクリスマスCDをかけています!
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by yoshizo1961 | 2013-12-22 18:25 | ミュージックあれこれ | Comments(0)

横溝正史の彩り

 角川文庫の横溝正史・黒背本の話を。

 角川書店から出ている横溝本で、背表紙が黒地に緑文字の旧版を「黒背」と呼ぶ。装丁が変わった新装版は新刊書店で買えるが、リアルタイムで角川映画の洗礼を受けた世代ならば、この黒背に反応してしまう。

 新古書店の105円コーナーに行けば、「犬神家の一族」などの代表作ならまだ目にすることができるが、「空蝉処女」(うつせみおとめ)とか「貸しボート十三号」などの比較的マイナーな作品はレア度が高くて、そうそう見つけられなくなっている。

 読むだけなら電子書籍で読めるが、あのなんともいえない黒枠の、扇情的なカバー絵の文庫で読みたい。マニアでなくとも、コンプリートを目指したくなるラインナップ。意外と若い読者にも人気があるようだし。

 血縁・地縁もののおどろおどろしさもさることながら、やはり本格ミステリの王道を行く横溝正史には、あの怖そうなカバー絵がよく似合う。最初の頃は杉本一文のカバーだけではなく別バージョンも存在するが、例えば「真珠郎」の振り向く顔とあの腕の色、「本陣殺人事件」の、猫と少女の顔の被りの表現など、杉本一文ならではの絵だと思う。しかも枠が黒だから色が浮き立つのだ。というより(いま気がついたけれど)絵を浮き立たせるために黒枠・黒背なのだろうか?

 ちなみにカバー絵の枠は黒だが、背表紙が白い「白背」バージョンも存在する。初版では背が白かったのだ。「八つ墓村」「悪魔の手毬唄」「獄門島」「悪魔が来たりて笛を吹く」の4作の初版は白背である。レア度がかなり高く、古書価も相当する。うちのお店には「獄門島」と「悪魔が来たりて笛を吹く」の白背があります(状態も美)。

 正月のテレビに飽きたら、みかんを食べながら、こたつで横溝を読むっていうのもいいかも。帰省のお供にも、一冊どうですか。こちらも→黒背の裏側

 今日の国分寺は晴れ。夕方になって冷えてきた。ドア閉めよー。今日は思いがけず差し入れをいただいたりしてうれしい一日でした。ありがとー!

 本日のBGMはトッド・ラングレンからトーキングヘッズ、ピンクフロイドからクィーン!
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by yoshizo1961 | 2013-12-21 17:21 | SF・ミステリ | Comments(0)

少年ドラマシリーズのSF

 およそ40年前に、NHKで放映された「少年ドラマシリーズ」を知っていますか?

 1972年から放映され、中高生に絶大な人気を誇ったシリーズ。SF、ミステリー、文芸ものを原作とした続き物。部活が終わって、速攻で帰宅してなんとか間に合う時間帯だった(たしか6時をまわった時間)。「ネコジャラシの11人」や、「新八犬伝」などの人形劇をやっていた時間帯で、その後番組だったか、人形劇の次だったか記憶が定かではないけれど、テレビの前に陣取って、毎日楽しみに観ていた気がする。

 一番最初のドラマは筒井康隆原作の「時をかける少女」。ドラマのタイトルは「タイム・トラベラー」。番組冒頭で、ウルトラQばりの扇情的なナレーションと、なんとも不安げなタイトル曲があいまって、一気にその世界に引き込まれていった。

 このドラマシリーズでは、日本の代表的なSF作家の原作をもとにしたドラマが多かった。先ほどの筒井康隆をはじめ、光瀬龍とか眉村卓、星新一など。光瀬龍は、「暁はただ銀色」、「夕ばえ作戦」。眉村卓は「なぞの転校生」「まぼろしのペンフレンド」「明日への追跡」など。一番人気はやはり「タイム・トラベラー」と「続タイム・トラベラー」。「続タイム・トラベラー」は筒井が書いたものではなく、石山透の著作。最初の「タイム・トラベラー」も石山の脚色による。主人公の芳山和子、相棒のケン・ソゴルの名を聞いただけでグググッと思い出して身震いする方も多かろう(大げさ?)。

 これらの原作は鶴書房のSFベストセラーズにある。SFベストセラーズもいまやレアになりつつあるので、見つけたらすぐ購入したほうが良い!(⇔宣伝です)

 筒井もので「七瀬ふたたび」もドラマ化されているが、いまだに多岐川裕美をテレビでみると、七瀬に見えてしょうがないのは私だけでしょうか。
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 今日の国分寺は雨。寒いので、さすがに今日はドアを閉めて営業中!

 本日のBGMは、ジーナ。フランスの歌手。空耳アワーに出したら絶対採用されそうな曲が。
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by yoshizo1961 | 2013-12-20 15:26 | SF・ミステリ | Comments(0)

時間旅行者はつぶやく

 先日書いた「ちょっとした疑問」関連の話を。

 うちのお店ではSF本を前面に出しているが(狭いから量は少ないけど)、その中でもタイムトラベルものをイチオシにしている。だから、SFビギナーのお客様からおすすめ本は?と聞かれると、日本の作家なら「マイナス・ゼロ」(広瀬正)、外国作家のものなら「夏への扉」(ロバート・A・ハインライン)と答えることにしている。どちらもタイムトラベルものの傑作だ。

 ところで、ちょっとした疑問その4。タイムトラベルって本当にできるの?

 実はタイムトラベルに興味があって、関連本もたくさん集めたが、結局のところまだ無理らしい。物理法則に反しない理論はいくらでもあるけれど、現実にそれができるかという段になれば、現在の技術レベルでは無理なのだ。が、ある本の中でヒントを見つけた。それはタイムトラベルの理論ではなく、タイムトラベルが可能かどうか、いまここで知ることが出来る方法だ。

 それは「タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち」(ジェニー・ランドルズ/伊藤文英訳・日経BP社)の中の第11章「時間の鏡」に出てくる記述だ。この中にケンブリッジ大学の学生ジョン・ルーカスが思いついた思考実験が載っている。簡単に言うと、まず銀行に小額の金を預け、タイムトラベルが出来るようになるまで何百年でも預けておく。そうすれば、いずれは利息が十分について、タイムマシンが一台くらい買える。それを現在に送って貰うのだ。
孫かひ孫かは判らないが、その通りにしさえすれば、タイムマシンが指定の場所に現れるはずだ。というもの。この思考実験は結局、失敗に終わる。ルーカスの主張によれば、口座を開こうと決意しただけで、すぐにタイムマシンが現れなければならない。いまここにタイムマシンが現れないのだから預金しても意味がない、という結論・・・この結果はなんだかよく解らない。そこで、この話をヒントに店主が考えついたのはこうだ。

 いずれ、時空を越えてどんな時代にも行くことが出来るタイムマシンが発明されたとしよう。このタイムマシンは、物理学者のフランク・ティプラーが言うような、タイムマシンが戻ることのできる過去は、それがつくられた「以降」に限られるという事実をも越えたタイムマシンである。このタイムマシンをいまここに送ってもらえればいいわけだ。タイムマシンが来れば、未来ではタイムトラベルが可能になったということで、来なければ、タイムトラベルは無理だということだ。要は、どうやってそれを伝えるかが重要なのだ。

 ジョン・ルーカスの思考実験が破綻をきたすのは、個人レベルすぎるからだ。だから国家レベル、地球レベルでやればいい。まず日本の国会で、「タイムトラベルが可能か不可能か」法案を成立させ、きたる未来まで法律として伝えて行くわけである。遠い未来に、日本の国家というものがあるかどうか判らなければ国連でやるとか。そうすれば答えはすぐ判る。たとえば、法案が成立した時点で、国会内にタイムマシンが現れるかもしれないのだ。

 まあ、国家レベルというのも大げさすぎてという方には、自分の子孫代代に、その遺言を伝えていくという方法が一番かも。子孫が真面目にその遺言を受け継いでいけば、あなたがそう決意したいまこの瞬間に、子孫が乗ったタイムマシンが現れるかも知れないよ。
 
 「こんにちはー」
 「こんにちはー」
 「いらっしゃいませー」

 (ねぇ、どうする?言うの?)
 (うーん、ご先祖さん、考えてるだけで満足そうだし?)
 (図書館の21世紀アーカイブスで見つけたご先祖さんのブログ読んだので来てみましたっ  て言ったら、信じると思う?)
 (うーん、あまり考えないで来ちゃったけど、言ったら卒倒しそうだよね、からだ弱そうだし)
 (じゃ帰ろうか、未来へ)
 (そうだね、帰ろう、未来へ)

 「さよならー」
 「さよならー」

 「?」


 今日の国分寺は寒い。雨。まいるなー。明日は定休日なのでお休みです。よろしくー

 本日のBGMはエディット・ピアフ。雰囲気はいいです、寒いけど。 
 
 
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 ・・・・・・グレィ? 
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by yoshizo1961 | 2013-12-18 17:07 | SF・ミステリ | Comments(0)

スカスカの太陽と俯瞰症

 昨夜の「虎の穴」(11月19日ブログ参照)では「ポストしらけ」というテーマで考察及びパフォーマンスが行われた。参加者はいつもの3名。

 結局「ポストしらけ」は、悟り世代と同様または近しいものであるという展開に。そしてミュージシャン(自称)の大導寺シンさんのパフォーマンス。「俯瞰症」と名づけられた、悟り世代を表現した作詞作曲のオリジナル。彼の頭の上に浮かぶのは店主が作った「スカスカの太陽」。
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自らの演奏、打ち込み、生声をデジタル加工して作り上げた「俯瞰症」を、パソコンから出力してライブ表現してみせた大導寺さんは、ドンピシャの悟り世代である。その詩もそのまま悟り世代のツボを表現していると思う。しかし本人は、ここで言われる「悟り」のアンチテーゼとして作詞したはずなのに、何故かスラスラ書けたので、批判的に捉えていたにもかかわらずその中に属していたのかも知れない、との思いを持ったそうだ。

 店主の世代からしてみれば、悟り世代云々より、たとえば大導寺さんの作品制作の手段やその表現の仕方の方が新鮮で面白かった。あたりまえのようにデジタル技術を駆使して、あたりまえのように表現できる。店主世代は「新人類」と呼ばれることが多かったが、彼らから見れば新人類どころかネアンデルタール人くらいかもしれない。

 それにしても、ポストしらけまたは悟り世代を象徴したつもりで作った、店主の「スカスカの太陽」がこれほどアナログなものに見えたことは自分自身、少しばかり驚いた。おれはやっぱりアナログ思考なのか。うーん。
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 次回の「虎の穴」は年を越して1月後半に行われます。日取りは決まり次第ブログにて告知いたします。次回のテーマは「その名を呼ぶことは禁止、されどその名を呼ぶ」です。テーマの意味は、そのものを表す本質的な言葉を使わず、そのものを指し示す言葉を探り当てるということです。それは説明にとどまらず、比喩も暗喩も越えながらも説得力のある、新しい言葉を紡ぎだそうという試みです。よく判らないかもしれないので、お店で店主に聞いてください。

 今日の国分寺は晴れ。そんなに寒くない?

 本日のBGMはピンク・フロイドの「あなたがここにいてほしい」。

 今回の「虎の穴」の作品、「俯瞰症」です。


希望の未来は僕には見えません
不吉な足音も僕には聞こえません

欲しがりません、勝つまでは
欲しがれません、勝ち目はないから

☆右向け右、左向け左
 先生、月向けばいいですか?

右向け右、左向け左
とりあえず、とりあえずみんなの進む方向へ

★映る景色も、人の涙も
 高みの見物、無表情で

 じっと眺めてるだけ
 ただ見つめてるだけ
 だって僕にはカンケイナイから

大人たちの懐古趣味
自由の革命家はもういないのに

感じない悲しみも、感じない喜びすらも
感じてる本当は・・・実感がないだけ


間奏

★繰り返し



「俯瞰症」 大導寺シン

※先生、月向けばいいですか?の「月」は「次」の誤植だそうですが、あえてそのまま掲載します。 
 
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by yoshizo1961 | 2013-12-17 17:01 | 虎の穴あれこれ | Comments(0)