アーカイブス・ウィーク⑨山口はるみ、パルコの時代

 アーカイブス・ウィーク最終日です。明日から通常ブログ復活です。よろしくお願い致します。


山口はるみ、パルコの時代 :2013・10・28

 80年代の若者が、ファッションやサブカルの聖地として崇めていた渋谷。その中でも渋谷パルコ周辺では、最先端のかっこいいお兄さんやお姉さんがしゃかしゃかと気取り顔で闊歩していた。どうも気後れするが、学生の頃からパルコの壁画描きの仕事をしていたので、渋谷に来ざるを得ずなるべく隅っこを歩いてパルコに通った。当時の渋谷一帯は今のように尖り気味な空気は無く、しかしダサい人お断り的な雰囲気を併せ持つ、おしゃれ優先・見た目勝負の街であった。そして、当時のパルコの雰囲気やイメージを絵に例えると、それはまさしく、山口はるみなのであった。

 山口はるみは、パルコをはじめとした数々の広告ポスターなどで知られるイラストレーター。エアーブラシの技法で描かれた女性像といえば、彼女の作品の代名詞でもある。作品を見れば、ああと頷く方も多いだろう。描かれた女性像同様、ご本人もきれいな方である(といっても会った事ないけど)。

 話は逸れるが、彼女のエアーブラシの技法で描かれた絵はスーパーリアリズムといって、1950年代くらいにアメリカで生まれたアートである。高校生の頃、こうした表現が流行って(高校がデザイン科だった)何かとグラデーションや陰影をつけたがり、山口はるみ風にするものが多かった。といってもエアーブラシなど誰も持っていないので、みな目の細かい金網に毛足を短く切りそろえた専用の筆を擦り付け、画面にその飛沫を飛ばし、似非っぽい絵を作っていた。けれども皆ヘタクソなので人物の陰影など出来る筈も無く、たいがい球や直方体などの単純な絵柄で満足していた。元々そういった表現は不得手であり、する気も無かったので、自分はしなかったが「なんちゃってエアーブラシ」が皆好きであった。

 塗装以外に、エアーブラシを使った表現が今時どうなのかよく知らないが、70年代から80年代にかけての山口はるみはその技法と共に記憶される。ただ、新聞小説の挿絵などエアーブラシに拠らない絵を見ても、絵が描ける人だと思うので、やはりちからのあるイラストレーターなのである。

 今日の国分寺は雨時々曇り。

 今日流れているのは、エラ・フィッツジェラルドです。
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by yoshizo1961 | 2017-04-01 14:36 | お店あれこれ | Comments(0)
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