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アーカイブス・ウィーク③ねじ式

 本日はアーカイブス・ウィーク3日目。ねじ式です。


「ねじ式」:2015・3・27

 つげ義春の「ねじ式」。

つげや、ガロの話は何度か書いたけど、「ねじ式」そのものには直接触れてこなかった。だっていまさら何を…という感じだし、分析しつくされているだろうし。けれどもまだ未読のお客様から尋ねられることが多いので、多少でも紹介がてら触れてみようか、と。

 「ねじ式」はいわずと知れたつげ義春の代表作。そのシュールで不条理な絵面と展開は、マンガのみならず、当時の社会にも影響を与えた。1960年代後半に発表されて以来、今も読み継がれている名作。

 メメクラゲに刺された少年が、海辺の町で医者を探してさまよう。やっと見つけた産婦人科医にシリツ(手術)をしてもらい、ボートに乗って海辺の町を去るところで終わる。あらすじらしきことはそのくらい。そこまで展開するまでの一コマ一コマがシュールで不条理に満ちている。

 いまも読み継がれてはいるけれど、現代の子どもや大人の感覚において、この「ねじ式」はどう作用するものなのかは、よくわからない。面白いのか、新しく感じるのか。それともまったくつまらないのか。昔の子どもや大人の感覚ならば共鳴できそうだが、こう世界が変わってしまった現代ではどう読まれるのか、と。若いお客様でも興味を持つ人は多いが、読んだ後の感想など聞いたことがないので、どうなのか気になる。だいたい不条理そのものに興味はあるのだろうか。シュールな絵面は面白いのか。感動とか興味のパラメーターは時代とともに変わるものなのだろうから、名作といえども時間が経てばつまらなく感ずるかもしれず、そのあたりが気になる。

 それでもお客様に尋ねられれば、面白いですよー、名作ですよー、と答える。やっぱ名作ですよね、「ねじ式」は。

 今日の国分寺は晴れ。ちょっと寒いですな。

 今日流れているのは、ベッド・ミドラーです。
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by yoshizo1961 | 2017-03-25 15:52 | お店あれこれ | Comments(0)
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