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時空インタビューその2江戸川乱歩の巻【前編】

 本日は時空インタビュー第2弾です。江戸川乱歩編の前半です。



 ううー、ここは・・・?ここはどこじゃ?わ、わしはいったいなぜこんなところにおるのじゃ?

 あ、そのお顔!もしや乱歩先生、江戸川乱歩先生じゃありませんか!?

 んー?あんた誰じゃ?

 はい、私はこの店の店主、まどそら堂の店主です。さきほど稲妻のような光が店内をつらぬいて、そのあとに先生がそこにいらっしゃったのです。あ、いや、実はこの店は時空のはざまに建っているようで、たまに時空を飛んできてしまう方がいらっしゃるのです。古本屋という職業柄、作家さんが現われることが多ございまして。

 なに?時空のはざまと?にわかには信じられんが、どうも夢でもなさそうじゃし。それにこんな店は見たこともない、いや、何もかも見たことがないものばかりじゃ。いや、それにしてもよくわからん、どうなってしまったのじゃ。

 たぶん先生がそうとは知らずに時空のはざまに巻き込まれる何かをされたんだと思われますが・・・。

 なにか・・・じゃと?うーん、ん?あれか?いやいや、まさか・・・。

 なにかこころあたりでも?

 うむ、じつはさっき厠で踏み外して、その、ははは・・・
 
 えっ?まさかその足元が濡れていらっしゃるのは・・・

 いや、ちがうのじゃ、これは・・・まあ、いいとしよう。それでここは古本屋なのじゃな?

 そうでございます、先生。実は先日も夏目漱石先生がおみえになりました。乱歩先生にもお越しいただき光栄至極でございます。

 なに?夏目漱石じゃと?(うーん、この男、頭がおかしいのかもしれん・・・ん?まてよ、これは使えるかもしれんぞ、時空を超えたミステリじゃな、ふふふ)。
 なにか?それより先生、今は何を書かれているのですか?

 ん?いま?いまは・・・(いや、まだ正体もワカランやつに話してはいかん、これは周到に仕組まれた芝居かもしれんぞ。わしの新作のネタを横取りしようというたくらみかもしれん・・・)いや、まあ、そうだな、そうそう、短編、短編を書いておるのじゃ。

 短編?先生は短編もたくさん書かれていますよね・・・。

 うん?そうじゃよ、その、そうじゃな、その・・・散歩、散歩の話じゃよ。

 散歩?それってひょっとして「屋根裏の散歩者」ですか?あの有名な!

 ん?有名?(なんじゃそりゃ、でも屋根裏の、ってところがいいじゃないか、こりゃいただきだ)うん、まあ、そうじゃな。つていうかなんでじゃ?

 では先生は大正14年前後の頃からいらっしゃったんですね!「屋根裏の散歩者」は大正14年発表ですもんね!

 そう?ああそうじゃよ(うーん、この男は何を言っておるのじゃろう、ひょっとしてホントにわしは時空を超えたんじゃろうか。それにしても屋根裏の・・・というのはいける!)。
                            明日の後編に続く

 今日の国分寺は晴れ。

 今日流れているのは、トウヤマタケオです。
時空インタビューその2江戸川乱歩の巻【前編】_b0304265_14523025.jpg

by yoshizo1961 | 2016-09-27 14:52 | 創作 | Comments(0)
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