タングステンの裸電球

 アンティークアヴェニューに移ってほぼ半月。

 帳場のこの場所から眺める風景にも少し慣れてきた。通りの向こうの庭園の緑が眩しくても、その眩しさがうれしい。通りを歩く人の表情もよく見える。

 以前のちびまどの帳場から見えたバスのお客さんの視線が懐かしい。ここでも同じようにみなさんこちらを振り返る。目があえばニコッとしたりしても、こちらからははっきり見えるけれど、通りからは光の加減で見えないだろうね。

 週末の金曜日と土曜日、また日曜日も夜の9時過ぎまで開けている。もうちょっと遅くまで(中央線の西荻から中野あたりは深夜まで?)開けていたい気もする。たまに終電間際まで営業してみますか。遅い時間まで古本屋があいているのはうれしい気がするから。

 仕事や学校から帰って、晩御飯も食べて、お風呂にも入って、寝る前のひととき。テレビやスマホでなくて夜の国分寺をふらふら散歩でも。駅前あたりから坂道を下って来ると、古いマンションの地下に輝くひかり。

 梅雨の合間の月夜の晩、古本屋の軒先にタングステンの裸電球が揺れている。ふらっと入ってみたら、店主がお客を相手になにやらバカ話を。棚の本を眺めながら聞くとはなしに聞いていると、やっぱりただのバカ話だったりして。

 こんな月夜の晩になんで本を眺めているんだろう・・・そんなことを思いながら、棚の端にあった文庫を一冊買い求める。小学校の時に、ドキドキしながら読んだ乱歩の少年探偵団もの。あの頃みたいに窓から見える月明かりの下で読んでみようかななんて思いながら振り返ると、タングステンの裸電球が揺れていた・・・あー、そんな古本屋になりたい。

 今日の国分寺は曇り。体調はどうですか。

 今日流れているのはエディツト・ピアフ。つぎはディランです。
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by yoshizo1961 | 2015-06-16 15:12 | お店あれこれ | Comments(0)
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