香港はどうなっていくのか。
香港の太子という駅から歩いて15分ほどのところに、雀鳥花園(バードガーデン)という小鳥を扱う店と小鳥好きの人々が集う場所がある。以前は別のところにあって観光地としても有名だった。現在も観光スポットとして機能しているが、以前よりは規模が小さくなっている。 小鳥を飼っている人々が、おしゃれな鳥籠をぶら下げてここに集まってくる。そしてみな自慢の小鳥たちを見せ合っては、のどかな時間を過ごす。日本では公園でお散歩の小犬たちが飼い主に連れられて集っているけれど、その小鳥版というところ。 小鳥自慢の人々をあてこんで小鳥を販売する業者の鳥籠も所せましと並べられていて、きれいな声で鳴く小鳥たちが優雅に鳥籠の中で遊んでいる。はた目には優雅に遊んでいるように見える・・・が。 以前、バードガーデンを散策中にその業者の鳥籠の小鳥たちを眺めていると、どこからともなく飛んできた雀が鳥籠からこぼれ落ちた餌をついばみ始めた。それはもうすごい勢いで鳥籠の餌をかすめ取る。香港の雀は日本の雀とほぼ変わらないが、少し体が大きくて羽の色も濃くはっきりしているように見える。 鳥籠の小鳥は、毎日餌にありつける。飢えるということはない。水も、青菜も。しかし、ずっと鳥籠の中だ。外界とを隔てる籠の等間隔の隙間からしか世界を感じることができない。かたや野生の雀は、毎日自由だ。どこにでも飛んで行ける。外界そのものがない。けれども餌にありつけない日もあれば、大きな鳥や蛇に狙われることもある。鳥籠からこぼれ落ちた餌を一心不乱についばむ雀を、籠の中から遠巻きに見ている籠の中の小鳥。 どちらがどうだという話ではなく、自分ならどちらの雀がいいか考えてみる。考えるまでもなく、野生の雀・・・を選ぶだろう?と自問する。そうだよね、当然自由な方がいいに決まってる・・・。でもそれは現実を捉えていない? 自由であることが最優先なら、それについての覚悟が必要・・・ではないのか?頭ではそう考えても、そのリスクをまともに考えたことがないのでは?理想や思い込みで生きてきたのは悪くなくても、自由を得るためのリスクについて真正面から対峙してこなかっただろう?ならば野生の雀がいいって言ったって、説得力がない。 最後にどうなろうとも、今ここにいる自分が、常に自由でいられるように生きるということは、そう生きるんだという覚悟の上に成り立っているということを自覚していなければどうしようもない、んだろう。自分はどうだろう。野生の雀にしては脆弱なんだろうな、たぶん。 何でこんなこと考えてるんだろう?香港の学生デモのニュースをみたから?香港の映像を見たから?野生の雀にあこがれても、籠の小鳥でしかないのかもしれないし。お店の前の電線にも雀。自由なんだろうか。・・・もう一度バードガーデンに行ってみたくなった。 今日の国分寺は雨。寒い。お知らせです。明日は午後から古物商講習会がありますので、お店を開けるのが夕方からとなります。午後4時半くらいから5時半くらいには開けられると思います。よろしくお願いいたします。 今日流れているのは、フランク・ポール。おとぼけな音楽です。
by yoshizo1961
| 2014-10-23 15:44
| 虎の穴あれこれ
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Comments(2)
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tabei
at 2014-10-27 12:42
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こんにちは。 朝の府中行きのバスからまどそら堂さんを眺めているばかりの私です。
この籠の鳥とスズメのお話、なんとも考えらさせられますね。。。 まどそら堂さんは私からしたらいろいろリスクも取ってあんな素敵な風情のお店をやってらっしゃる・・・自由な雀でいらっしゃると思いますけど。 私はちょっとがんばったんですけど、まだまだです。 いろいろ考えています。
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yoshizo1961 at 2014-10-28 15:22
Tabeiさま
コメントありがとうございます。 自由な雀でありたいと思ってはいますが、なかなかそうはいきません。書いていた通り、野生であってもヒョロヒョロの脆弱な雀なんだと思います。自由とはどういうものなのかまだよくわかっていないのかもしれません。なんにせよ、考えることが一番大事なことですが、同時に身体も動かすことが重要みたいです。きっかけは何でもいいんだと思います。月並みな言い方になりますが、一歩前に進んでみると、どうにか物事は進んで行きます。一歩前に出る勇気・・・などと大げさなことではなくて、ほんとに小さなきっかけがあればいいんだと思います。 自由な雀になりたい。そう思ってこうなった・・・というわけでもなく、自分が岐路で選択し続けた結果がまどそら堂です。自由というのは大変なんだとも思います。けれど、それでいい、というか。 朝のバスの窓から見えるまどそら堂はどんなでしょうか?シャッターが閉まったままですみません。今度早起きして早朝営業?やってみますか(笑)。今後ともよろしくお願いします。 店主
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