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骨皮筋さんからの便り

 先日、骨皮筋(ほねかわすじ)さんから丁寧な暑中見舞いのはがきをいただいた。

 骨皮筋さんといえば、5月の「詩」の展覧会に出品していただいた詩人である。出品作の「絶望と青空」は70年代的現代詩といっていいほど時代的言の葉に彩られた作品であった。そんな骨皮さんからの久し振りの便りである(骨皮さんはいま事情があってご実家に帰られている)。

 あらかじめ断っておくが、骨皮さんは暗にというか(ストレートに)、はがきの内容を公表していいよということらしいので、ある部分はそのまま、ある部分は多少ソフィスティケートして転載、という形でご紹介する。

 時候のあいさつの後、まどそら堂の営業状態についての言及(余計なお世話です)に続き、ご自分の制作状況に触れられている。案の定、壁にあたまをぶつけて乗り越えられないでいるらしい。ご自分を含めた周りの状況についてとやかく言う立場ではないが、相変わらずネガティヴな心持ちが伺われて、骨皮さんらしい(失礼)。けれどもそのネガティヴさが、骨皮さんの作品の背骨でもあるので、こころを病まず骨皮さんの詩の通り、青空を仰ぎ見て作品を作り続けることで何とか乗り切っていただきたい。はがきの片隅に消え入りそうな鉛筆の文字で、この夏の青空は悲しいくらい青い、と書かれていた。

 いっしょに展覧会をした詩人たちに宛てたメッセージらしき言葉もあり、未だ逢ってもいない彼らへの思慕といったものが感じられる。・・・書いていますか?あなたは何にも拠らない、あなただけの言葉を書き連ねていますか?わたしは書けないでいます、いえ、書くべきことは分かっています、けれども書けません(原文まま)。

 詩の展覧会のあと、さほど「詩」に触れない店主にもご不満の様子なので弁明させてもらう。その後、詩集を手に取るお客様がひとりいらっしゃる。そのお客様ひとりだけのためであっても一棚、詩集を並べ続けていようと思っているので、その気概でもってわかっていただきたい。詩はそんなにもマイナーで、気づいても貰えない。同じ出品作家の大導寺シンは、言葉とリズム、音楽、映像とその表現方法を多彩に変えながらも表現し続けているし、おそらく心が波打つような出来事があっても、みな確実に書いているはずだ。みんなそれぞれ自分の言葉を探している、と思う。骨皮さん、グタグタ言ってないで、天を突き破るような詩を書けよ。骨皮さんなら書けるだろう?そしたらまた詠ませて。帰ってきたらいつでもいいからまどそら堂に寄ってほしい。待ってるよ。

 今日の国分寺は晴れ。週末は少し雨?明日は定休日ですのでお休みします。また金曜日に。個展をしてくれた對木さんからも丁寧なはがきをいただいた。ほんと、うれしいです。ありがとう。

 今日流れているのはピンク・フロイド。「あなたがここにいてほしい」。 
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by yoshizo1961 | 2014-08-06 13:55 | 詩あれこれ | Comments(0)
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