人気ブログランキング | 話題のタグを見る

続・對木裕里インタビュー「彫刻が見つからない」

 今日は對木裕里個展4日目。今日は昨日からの続き。未読の方は前日の記事からお読みください。


「對木さんにとって「作る」ということはどういうことでしょうか?また、ご自分の作法みたいなものがありますか?」
「わたしの場合、作りたいものが明快にあるわけじゃないんです。ただ、手は動きます。自分が気にする色や素材といったものがあり、空っぽになる瞬間に「作る」んです。でも集中すると余計なこともやってしまうんです。というか、集中すればするほど何か別のことをしてしまいます。でもその狭間で手は動いていて、何かバラバラに展開していたものが、その空っぽになる瞬間にひとつになっていくんです。ひとつのものを探しているというか・・・そうですね、作るんじゃなくて、できる、って感じでしょうか」
「最初に明確なイメージがあって、そこに向かって収斂していくというものでもないんですね?」
「そうですね・・・。ひとつのかたちが既にあってというわけではないんですが、手を動かしているうちに出来上がっていくというか、いろいろなイメージが集約されていって、ひとつになるときを待つというか・・・。ただ、例えば軽い素材を使用する場合は、重い素材も同時に考えてみてバランスをとる、ということはします。それは心の奥底で行われることなんですが」
「それと、對木さんの作品はいろいろな要素が重なり合ってますよね。素材感や、ものとものの関係性とか、ペインタリティであったりとか。それらは複合的ではあっても個々に在るものなのか、それとも渾然一体なものなのか、どうでしょう?」
「ひとつのものです。ひとつのものを探しています」

「余談ですが、なぜまどそら堂で?」
「好きな本がいっぱいあったから…(笑)。それと、美術の本が無いこと(爆笑)。あと物理の本があったからかな。でも本に囲まれた中でやるのは、結果的には大変なことでした」
「好きな作家はいますか?」
「えーと、・・・マティスかな」
「まどそら堂での個展のあとのスケジュールは?」
「9月に小田原の清閑亭でグループ展をします。来年2月には横浜県民ホールギャラリーでグループ展、6月には川口のギャラリーアトリアで個展が決まっています」

「今日はどうもありがとうございました。とても楽しかったです。また作品のこと聞かせてください」
「こちらこそありがとうございました」

 唐突なインタビューのお願いにも関わらず、真摯に答えてくれた對木さん。作品に対してもピュアな思いで臨んでおられるので、今後の展開も楽しみというものです。インタビューでは、もっと深い言葉で答えていただいていましたが、店主が簡単にまとめてしまいました。
また機会があったら、やってみたいと思います。お楽しみに!

 今日の国分寺は晴れ。ついに夏到来。セミが・・・。

 今日流れているのはビートルズ。「レット・イット・ビー」です。夕方から多分変わります。

 画像は、對木裕里「霧箱1」部分 2014
 
続・對木裕里インタビュー「彫刻が見つからない」_b0304265_1522520.jpg

by yoshizo1961 | 2014-07-22 15:02 | 展覧会情報 | Comments(0)
<< ジャック・アンド・ビーンストーク 對木裕里インタビュー「彫刻が見... >>