對木裕里インタビュー「彫刻が見つからない」

 對木裕里個展3日目。展覧会初日(7月19日)の空いている時間に作家インタビューを敢行。今日はその模様をお伝えします。

店主「きょうは作品に関してインタビューさせていただきます。よろしくお願いします」 
對木「こちらこそよろしくお願いします」

「まずお聞きしたいのは、作品を作り始めたころの話を・・・。自覚的に作品を作り始めたのはいつ頃から?」
「うーん、自覚的にですか。自覚的というか、自信を持って作り始めたのは去年くらいです。もちろん大学の頃から作ってはいましたが」
「学生時代はどうでしたか?」
「もともとランドスケープのような空間デザインに興味があったんです。それで初めはデザイン系の勉強から入ったんですが、そこで立体を作ったりしていて。それが結構面白いかなって。それで武蔵美ではデザインのほうと彫刻と両方受かってしまい、では彫刻へ、って感じだったんです」
「では最初から彫刻ありきではなかったんですね」
「そうです。だから彫刻科に入ってから、彫刻ってなんだろうって。彫刻自体がわからないから、それから彫刻を探し始めたんです」

「武蔵美から京都市立芸大に進学したのは?」
「ムサビのころは、スキルやクオリティや物語のある先輩や同期の作品を見ていて、自分にはそういったものが無くて、不安でした。作りたい衝動はあって、だけどどう作ったらいいのか、何を作ったらいいのか、何を作りたいのか、そういった根本的なところがものすごく脆弱でした。根本的な問題が解決しないまま作り続けることは無理だと思い、一度自分のことを見直すためには、違った環境が必要だと思い京都へ行きました。京都の大学には、なぜ作るのか、といった根本的なことにじっくりトライしている印象があったからです」
「京都はどうでした?」
「京都ってこちらと全然違ってて、とにかく喋らせるんです。いきなり本質的な部分から、どうして作るのかってところから喋らなければ相手にしてくれない(笑)。だから自己表現しなければいけない環境に身を置いて、それでだんだん美術が、彫刻が、好きになっていったんです」

「そうですか、では本質的な部分について訊いてみましょう(笑)。對木さんの作品は、いわゆる彫刻的な約束事というか、塊とか重さとかそういう表情をあまり感じさせませんよね?そもそも彫刻なのか、それともその周辺なのか、ご自分ではそのあたりをどう捉えてらっしゃるんでしょうか」
「わたし自身、彫刻って何なのかって自問して、彫刻を探したけれど見つかりませんでした」
「彫刻が見つからない?」
「ええ。立体を作りたい。けれども彫刻が見つからない。というより、彫刻って何だろうって。彫刻の刻は、きざむということ。でも塊というか、ものを刻むイメージより、わたしの場合は時間を刻み込む、っていうか時間をものと捉えて時を刻み込むって感じなんです。時間を意識すること、それがわたしにとって彫刻を作ることなんです」

 以下、明日に続きます。「作る」ということの本質について。

 今日の国分寺は晴れ。暑いです。今日は美術関係のお客様が何故か多い(對木さん関係以外の)。

 今日流れているのはエディット・ピアフ。風がでてきました。

 画像は参考作品(今回展示されている作品ではありません)。今回の作品はまた次回。
 
 「夜に流す」180×90×90(cm) 2013 FRP・木材・布・石膏
 
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by yoshizo1961 | 2014-07-21 15:36 | 展覧会情報 | Comments(0)
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