つなぐもの

 本を買って頂いたお客様には、手作りのしおりをプレゼントしている。妻の発案で始めたことだが、しおり自体も妻の手作りである(洋紙のマーメイド紙を短冊状にカット、表上面に手描きイラストが入り裏面にお店のハンコが押してある)。

 精算を済ませた後、しおりを選んで頂く。数十枚の中に数枚アタリを混ぜてあるので、その説明もする(アタリといってもささやかなものであるが)。そういった一連の会話からお客様とのコミュニケーションが生まれればいいと思っている。

 開店当初からお客様とのやりとりはプレッシャーであった。接客の仕事をした経験もほとんど無く、今までの仕事においても特定の人以外に接することもなかったし、自ら社会の中で、何かしらの活動に触れるということもそうは無かった。また、そうする必要性も感じなかった。それが毎日お客様と接し、必然的に何らかのコミュニケーションを持つということは、自分にとって本を売るということよりも大きな出来事であったのだ。

 だいたい元から人見知りする方だし、元気はつらつで誰とでも話しが出来るタイプでもない。その点、妻の場合は、誰とでもカラカラと笑いながら話しが出来るタイプなので困ることは無い。いや、ちゃんと話してるじゃないかと思う方もいらっしゃると思うが、自分としては相当ちからを入れて喋っているのである。

 ただ以前にも何度となく触れているが、お店の狭さ故に、黙したまま対峙するのはこちらもお客様にしてもどうも気詰まり感がある。なにやら空気が重く感じられる時は何か話しでもと、さりげなく(本当はちからを込めて)お声掛けすることもある。どんな本をお探しですかではなく、今日は寒いですねとか雨降ってきましたかとか。それで反応して頂ければ、少し楽になる。が、本に集中していたり、そういったこと自体疎ましく感じられる方もいらっしゃるだろうから、どうも難しい。

 そういうわけで最近は、挨拶をしたあとは(何かに集中して気配を消していることもあるが)、たいがいは帳場で所在無げに座っているわけである。そこで、しおりが活躍する。

 しおりの説明をした後に色々話しをつなげられるし、沈黙の空間もいっきになごむ。アタリが出れば盛り上がるし、はずれても笑ってくれる。

 話しベタではあるし、内気ではあるが話しをすることは嫌いではないので、来店されたときはぜひ店主に話しかけて下さい!!

 今日の国分寺は寒い雨。明日は台風だそう。ここでお知らせ、明日は臨時休業。明後日の木曜日を振り替え営業とさせていただきます。よろしくお願い致します。

 本日のBGMは、ジェフ・ベック。「哀しみの恋人たち」が泣かせます。
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by yoshizo1961 | 2013-10-15 16:21 | お店あれこれ | Comments(0)
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